行楽客で賑わう開花シーズンの群生地(写真は昨年)

行楽客で賑わう開花シーズンの群生地(写真は昨年)

 日高市は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、高麗本郷の「巾着田曼珠沙華公園」で9月から10月にかけて開催を予定していた「巾着田曼珠沙華まつり」を中止したが、開花に合わせて全国から人が集まるのを防ぐため、マンジュシャゲの開花前に花芽を刈り取ることを決めた。

 20日に開かれた市議会(山田一繁議長)の全員協議会で金子昭副市長が報告し、「花が咲けば開花に合わせて人が集まる。来場者や地元住民、関係者の安全確保が非常に難しい。苦渋の決断」などと述べた。

 巾着田曼珠沙華公園には約3・4ヘクタールの群生地に約500万本のマンジュシャゲが咲き、開花期間中に開かれる「曼珠沙華まつり」には全国から20万人を超える人々が訪れる。

 だが今年は、新型コロナ感染症の収束の兆しが見えず、今後の予想がつかないことから、全国からの来場者をはじめ、地域住民、関係者の安全を確保するのが困難な状況と判断し、曼珠沙華まつりの中止を6月に決定。

 その後も開花期間中の対応について、群生地への立ち入りを禁じる方法や芽の段階で刈り取ることについて、検討を進めてきた。

 全協で「巾着田のマンジュシャゲの対応について」として報告した金子副市長は、「既にご案内の通り、今年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止のために曼珠沙華まつりを中止とした。現在のコロナウイルスの感染状況を見てみると、感染者数は引き続き増加しており、緊急事態宣言こそ発令されていないものの、依然として深刻な状況が続いている」。

 「間もなくマンジュシャゲの発芽・開花時期を迎えるが、まつりは中止しても花が咲けば開花に合わせて人が集まる。狭い遠路は密集・密接状況となり、適切な感染防止策がとれないといったことが予想される。こうした状況から、巾着田管理協議会とも話し合いを重ねてきたが、このままマンジュシャゲを開花させると、来場したお客様や地元住民の方々、関係スタッフの安全確保が非常に難しいと判断し、苦渋の決断ではあるが、開花前に花を刈り取ることもやむを得ないという判断をした」と説明。

 「来年は今年の分まで綺麗に咲かせ、皆さんに楽しんで頂きたいと考えている、ご理解ご協力をお願いしたい」と述べた。

 群生地では昨年のマンジュシャゲ開花期間終了後、台風19号により巾着田を流れる高麗川の水が溢れ、大量の土砂が堆積する被害に遭い、マンジュシャゲの球根も一部が土砂に埋もれた。

 公園内では今年6月末まで土砂の撤去や散策路などの復旧工事が行われ、7月には土砂の中から掘り出された球根約1000個を市職員が植え直した。

 マンジュシャゲは夜間の気温が下がることによって球根から花芽を伸ばし、発芽から1週間程度で開花する。9月上旬の発芽が予想されるが、残暑の影響によって遅れる場合もある。