共産党飯能市議団(金子敏江・滝沢修・山田利子・新井巧議員)はこのほど、大久保勝市長と今井直己教育長に「名栗中学校の廃校計画に関する要望書」を提出した。

 共産党の要望書は、飯能市が打ち出した「名栗中学校は令和2年度で廃止し、名栗中の生徒は3年度より原市場中学校に編入する」とした廃校計画について白紙に戻し、生徒・保護者、地域の納得のいく説明と合意ができるよう議論を尽くすことを求めた内容。

 山間地域で、児童・生徒数の減少による学習環境など、教育上の課題が発生しているとして、市は庁内に「小規模校の在り方に関する検討委員会」を設置し、対策を協議。

 その中で、特に名栗中学校については2年後に生徒数が10人を下回るなど、早急な対応が求められていた。

 市は生徒数減少による教育課題について、地元と意見交換のための懇談会を開催。5点からなる名栗中の在り方の基本方針を定めた。

 基本方針は、①名栗中学校は令和2年度をもって廃止し、名栗中学校の生徒は3年度より原市場中学校に編入する②バスによる生徒の通学手段を確保する③生徒の環境変化に対するきめ細やかな学習面、学校生活及び心のケアを行う④名栗幼稚園、名栗小学校、原市場小学校、原市場中学校の連携体制を確立⑤原市場中学校生徒を名栗地区と原市場地区の交流の担い手の一員と位置付け、両地区の地域間交流を推進する。

 基本方針を設定した市は7月、「名栗中学校の在り方の方針に係る地域説明会」を催し、地元住民と名栗中廃止、原市場中への編入などについて意見を交わした。

 名栗中学校の廃校計画に関する要望書は、次のとおり。

 「名栗中学校を令和3年3月末で廃校にし、生徒を原市場中学校で受け入れる計画が5月の議会全員協議会に初めて報告されました。このことが、7月11日付けの文化新聞に掲載され、多くの市民は新聞報道で初めて知りました。

 7月末に開かれた住民説明会では、あまりにも唐突であることに不満の声が出されています。

 『生徒が現在のように減少することは何年も前からわかっていた。それが突如として廃校が文化新聞に出て、地元住民が知るなどということがあっていいのか』『廃校の方針が議会に報告されてから住民に説明というのはおかしい』『これまで、小中一貫校や中学校での特認校などの検討もできたのではないか』『今の生徒が卒業するまで延期できないか』『子どもたちの声も聞いてほしい』『文科省は統廃合にあたっては、住民の声を十分聞くよう文書を出している。丁寧な進め方が必要ではないか』『住民も子どもたちも、市が決めたことだからしようがないという思考になってしまうことが最も憂慮される』など批判の声が相次ぎました。

 地域から学校がなくなるということは、生徒・保護者の問題だけでなく、地域住民の教育・文化やコミュニティー、経済などにも重大な影響をもたらします。

 市は、吾野・東吾野地域の小学校統廃合について、丁寧に進めてきたやり方を評価していたはずです。今回のような問答無用の統廃合がまかり通れば、他の地域の小規模校のあり方、進め方にも重大な悪影響を及ぼします。

 埼玉県が唐突な飯能南高校と飯能高校の統廃合計画を進めようとしたときには、飯能市長、飯能市教育長、飯能市議会が県に対して異議を唱え、最初から計画を練り直す検討を進めました。

 今回の名栗中学校も同様です。結論先にありきではなく、住民、生徒が一緒になって、これからどういう教育をすすめるのか、どういう地域にしていくのか、出発点に立ち戻って、議論を進めることが必要です。

 以上のことから、廃校計画を白紙に戻し、生徒・保護者、地域住民の納得のいく説明と合意ができるよう議論をつくすことを強く要望いたします」。