飯能署は、日高市の無職女性(71)がオレオレ詐欺により650万円、飯能市の無職女性(73)が架空請求詐欺により300万円を騙し取られる特殊詐欺事件が発生したと発表した。

 3月中旬以降、同署管内では沈静化していた特殊詐欺だが、6月に入り不審な予兆電話が増加する傾向にあり、今回、相次いで発生した2件の特殊詐欺の合計被害額は950万円と高額。

 同署は「不審な電話があった場合はすぐに警察に相談を」と改めて注意を呼びかけている。

 日高市の女性が被害に遭ったのは、息子を名乗るオレオレ詐欺。

 6月22日正午頃から数回にわたり、次男を名乗る男から「副業で金が必要になり、会社の金に手を出してしまった」「監査が入るので金を用意しなければならない」「金を取りに行かせる」といった内容の電話があり、次男からの電話と信じた女性は、同日午後3時頃と翌23日午後3時半頃の2回にわたり、自宅付近の路上で、郵便局の下請け業者を名乗る男に現金650万円を手渡した。

 電話を受けた際、次男を名乗る男からは「27日までに金を返す」と言われていたが、27日になっても次男が姿を見せなかったことから、女性が次男本人に電話をかけて確認したところ詐欺被害に遭っていたことが判明、飯能署へ通報した。

 飯能市で架空請求詐欺の被害に遭った女性は、23日、自宅に「法務管理局委託督促状」と書かれた封書が届き、中身を確認したところ、「契約不履行による民事訴訟として裁判所に訴状が提出されました」「裁判取り下げ最終期日を経て訴訟を開始させて頂きます」「ご連絡なき場合、原告側の主張が全面的に受理され、執行官立ち合いのもと、給料差し押さえ及び動産、不動産の差し押さえを強制的に履行させていただきます」などと記されていたという。

 女性が書面に記載されていた連絡先に電話をかけると、弁護士を名乗る男に「示談金として300万円を立て替えておきますので、立て替えた300万円は、6月26日に送って下さい」と指示され、女性は指示に従い、26日午後3時頃、飯能市内のコンビニエンスストアから宅配便で、指定された住所へ現金300万円を送ってしまった。

 弁護士を名乗る男から「後で連絡する」と伝えられていた女性だったが、一向に連絡が無かったため、29日になって飯能署に相談し、詐欺被害に遭ったことが分かった。

 今年の同署管内の特殊詐欺件数は6月29日現在で13件となり、被害額(暫定)は合計約3500万円。

 3月中旬以降、被害の発生はなかったが、6月中旬以降、不審な予兆電話が増えていたという。

 同署は、振り込め詐欺被害に遭わないために、「お金が必要」といった内容の電話があった場合は一度電話を切り、まずは家族や警察に相談する。また、不審な相手と話さないようにすることが重要として、電話を留守番電話に設定する、ナンバーディスプレイで相手を確認し、知らない番号には出ないといった対策などを呼びかけている。