カヌー工房内で、飯能ククサを製作する山田さん

カヌー工房内で、飯能ククサを製作する山田さん

 飯能市下名栗の認定NPO法人名栗カヌー工房(山田直行理事長)がヒノキなどの無垢材を削り出して製作する木製カップ「飯能ククサ」が、アウトドア志向の人たちの野外使用だけでなく、森の雰囲気が感じられて穏やかな気持ちになると、家庭でも受け入れられ、人気を博している。

 系列のソグベルク(メッツァ内)では、購入者が半完成品の飯能ククサを仕上げるワークショップも盛況という。

 ククサとは、メッツァを通して飯能とゆかりのあるフィンランドの伝統工芸品の一つ、白樺で作る木製マグカップのこと。ククサを贈られた人は、幸せになると当地では言い伝えられているという。

 カヌー工房は、メッツァ事業が市内で進展していくのを機に、北欧つながりで飯能を代表する西川材などを使って、プレゼントされると幸せになると伝承されているククサが製作できないか、研究を開始。

 手に持った時のサイズ感、重量、材料となる木材が飲み物の味に影響を与えないかなど試作を繰り返し、その間、スギ、ヒノキの西川材だけでなく、サクラ、クリ、ケヤキ、クルミ、カキなどの地元で切り倒された材にも目を向けて試験製作を積み重ねた。

 地道な作業によって最終的に、材はヒノキを中心に、サクラ、クリ、ムクノキ、カシ、コナラなどが適していることを突き止め、いよいよ製作に着手。製品名についても、「飯能ククサ」と名付けた。

 大きさは、直径約8センチで高さ約6センチのものを標準に、小・大型サイズを開発。いずれも、マグカップのように取っ手が付いた一体型で、取っ手のデザインについては、名栗カヌー工房メーン商品のカヌーを漕ぐ時に使う「パドル」と呼ばれる櫂の手元の形を取り入れた。

 価格は、標準サイズで針葉樹の香りが漂うヒノキが4000円で、サクラ、ケヤキ、カシ、コナラがそれぞれ6000円。

 飯能ククサは木製なので落としても割れず、使い込むほどに全体が味わい深く変化していくのが特徴。購入者の中には使い道を飲食用に限定せず、室内に居て自然が感じられる〝森の置き物〟として卓上などに飾ったり、小物入れにして利用している人も少なくない。

 名栗カヌー工房で飯能ククサは製作され、販売店舗は主にソグベルク。ソグベルク店内に並べられた飯能ククサは、メッツァオープン以降、20~30個売れた日もあったという。

 人気なのは完成品だけにとどまらない。ソグベルクでは飯能ククサの半完成品も販売しているが、この半完成品をその場で購入者に仕上げてもらうワークショップも開講しており、こちらも作業の工程と完成した時の喜びも味わえると、利用者数は右肩上がりだ。 

 ワークショップの参加費は、飯能ククサ半完成品の購入代金だけ。仕上げ作業を行うのに必要なソグベルク内の工具等の使用は無料だ。半完成品の代金は完成品より低く設定されている。

 ワークショップ参加者は、大まかに削り出してあるククサの表面をサンドペーパーなどで磨き上げて凹凸をなくし、内側に特殊なウレタン、外側にクルミオイルを塗り込んで完成させる。

 名栗カヌー工房では、このワークショップ用の半完成品と完成品とを製作しており、1日平均で10~15個を製造している。

 山田さん(71)は、「メッツァに行った際には、ソグベルクにも立ち寄って、飯能ククサを手にとって頂ければ、こんな嬉しいことはありません。飯能の名を冠した木工品を今後も開発していきたい」と話している。

 問い合わせは、認定NPO法人名栗カヌー工房(979・1117)へ。