贈り主に感謝する精明小の教員。右から小野校長、山田悠紀教諭、寺坂教頭

贈り主に感謝する精明小の教員。右から小野校長、山田悠紀教諭、寺坂教頭

 「元気な子供達の声が 早く聞こえる事を祈っています」などと、一文が添えられた手作りマスクおよそ20枚が14日、飯能市立精明小学校(小野加津美校長)に匿名で届けられた。

 小野校長ら教職員一同は、「温かいメッセージも頂き、ありがたく、地域に住む善意の市民と思いますが、メディアを通じて是非お礼が言いたい」と、感謝の気持ちを表している。

 また、これをきっかけに「子どもたちが、温かい心を持った人間に育ってくれれば」と、期待も膨らませている。

 緊急事態宣言による措置が続く中、精明小でも新学期の始業以来、一度も授業が行われていないため、各学年の担任が自宅学習用に課題プリントを作成し、子どもたちに提出してもらう試みを行っている。

 これまでに2回実施され、1回目は新学年の教科書配布時、取りに来た保護者などに手渡しを中心に配り、2回目は郵便で各家庭に郵送。返信用封筒も封入し、課題提出は1~2週間後、郵便による返送のほか、直接学校に届けてもらうようにしている。

 匿名による善意のマスクが届けられていたのは、この子どもたちの「課題回収箱」の中だった。衣装ケースを課題提出用に活用したもので、郵送での課題提出の際は、封筒が投函される郵便ポストの真下に置かれていた。

 この日午前8時に、小野校長が回収箱を確認したときには、マスクは入っていなかったが、11時、寺坂民明教頭が2回目の確認をした際、プレゼント用などに使われる黒いビニール袋が入れられていることに気が付いた。

 袋の上部には赤いリボンが結ばれ、「先の見えない中先生達のご苦労は大変なものだと思います 元気な子供達の声が 早く聞こえる事を祈っています ゴムが無く 役にたつかわかりませんが⋯⋯」という達筆な手書きの手紙が添えられていた。

 「学校が送った封筒とは違った黒い包みで、中は何か柔らかい物という感触があったので、ちょっと見当が付かず、まずは開けてみると、マスクという事がすぐに分かりました。改めてメッセージを読むと、すごく現場の事を考えて下さっている温かいメッセージで、とにかく有難かった。匿名ですが、地域の方だと思います」と、寺坂教頭は満面の笑顔で振り返る。

 寺坂教頭は、すぐに他の教職員や小野校長に報告。

 「教頭が、校長室に飛ぶように入って来まして、『こんなメッセージとマスクを届けてくれる方がいらっしゃいました』という話を聞き、すぐに手紙を読ませて頂き、本当に感動しました。『うれしいですね』と、二人で喜びを分かち合いました」と、小野校長は喜びを隠しきれぬ様子で、匿名の善意の市民に感謝した。

 赤いリボンを解いた中には、透明なチャック付きビニール袋の中に、およそ20枚の手作りマスクが、2列にきれいに重ねられて納められていた。添えられた手紙の通り、耳に掛ける紐の部分はなかった。

 マスクの素材について「飯能まつりか、何かに使われる手ぬぐいではないでしょうか」と、小野校長は推測する。

 「一度手洗いしゴムの方を用意して着け活用したい。職員と相談し用途を考えますが、1年生の入学祝いにプレゼントすることができるかもしれませんし、マスクをして登校することができなかった子どもに分けることも考えられます」と、善意に応えるより良い利用法を思案している。

 「どなたの贈り物か分からないので、是非お礼をしたい。郵便ポストにお礼の文章を張りますし、メディアの力を借りて、お礼をさせて頂ければありがたい」と、小野校長は語り、匿名の市民に感謝の気持ちを伝えることを熱望。

 「今、1週間に1回程度配信している緊急メールを使い、写真を添付して『善意の方から、ご寄付頂きました』ということを子どもたちにも知らせ、学校が再開されてからも改めて報告したい。子どもたちには、温かい心を持った人間に育ってほしいので」と、マスクのプレゼントが子どもたちの心の成長のきっかけにもなれば、と期待している。