「マスク配るが家族は何人?」 新型コロナで不審電話

 独立行政法人国民生活センターは、新型コロナウイルス感染症関連に便乗した消費者トラブルが発生していることから、ホームページを通じて、注意を呼び掛けている。

 ホームページで掲載している直近の不審電話の内容は、1世帯につきマスク2枚を配布する政府方針に便乗し、個人情報を入手しようとするもの。

 「保健所の職員を名乗る者から『マスクが1世帯に2枚配られますが、ご家族は何名ですかと電話があった』『マスクは明日直接届ける』とも言われ、不審だ」(70歳代女性)、「自宅の固定電話に中央省庁を名乗る電話があり、新型コロナウイルスの説明をされ、マスク2枚と新型コロナウイルスの検査キットを送ると言われた。『○○さんですね』と苗字を確かめられ、家族構成、かかり付け病院を聞かれたので、家族構成や通院先、持病や服用薬を答えてしまった」(80歳代女性)などという2例を取り上げ、注意を促す。

 また、新型コロナ関連で、これまで国民生活センターに寄らせれている次の相談事例も紹介している。

 【なりすまし】

 ▽保健所の依頼で来たと騙る事業者から、自宅でできる新型コロナウイルスの検査薬を本来50万円するところ、今回特別に選ばれた人に10万円で販売すると勧誘された▽市の新型コロナウイルス対策室を名乗り、個人情報を聞き出す不審な電話を受けた▽携帯電話会社名で、新型コロナウイルス関係の助成金を配布するとのメールが届いた▽自宅の固定電話に「新型コロナウイルスの検査が無料で受けられる。マイナンバーが必要。これから自宅に行く」という電話があった▽信用金庫の職員を名乗る電話があり、新型コロナウイルスの関係で必要な口座番号と暗証番号を聞かれた▽水道局を騙り、新型コロナウイルスがついているので除去すると不審な電話があった。

 【オレオレ詐欺】

 ▽息子を名乗り「会社の上司に借りたお金を返して」と電話があり、上司から「新型コロナウイルスで困っているので、すぐにお金を返してほしい」と頼まれ、現金を手渡した。

 【そのほか】

 ▽「マスクが購入できる」というSNSの書き込みを見て通販サイトで申し込んだが不審だ▽「マスクが買えるサイトがある」というSNSの広告を見てマスクを注文したが、不審なのでキャンセルしたい▽新型コロナウイルスが水道水に混ざっていると不審な電話がかかってきた▽「新型肺炎に下水道管が汚染されているので清掃します」とのSNSが届いた▽排水管高圧洗浄のチラシを見て電話したら「排水管が新型コロナウイルスで汚染されている」と言われた▽「行政からの委託で消毒に行く」という電話がかかってきた▽不審なマスク販売広告メールがスマホに届いた▽マスクを無料送付するというメッセージがスマホに届いた▽新型コロナウイルス流行拡大の影響で、金の相場が上がるとして金を買う権利を申し込むように言われた。

 国民生活センターは、「市役所などの行政機関の職員を名乗るあやしい電話や心当たりのない送信元からあやしいメールやSNSが届いても、反応しない」「新型コロナウイルスに便乗した悪質な勧誘を行う業者には、耳を貸さない」などと呼び掛け、少しでもおかしいと感じたら、「消費者ホットライン 局番なしの188(いやや)番」へ電話し、相談することを勧めている。188は、最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等を案内する全国共通の3桁の電話番号。

 飯能市消費生活センターについては市役所内に開設されており、月曜~金曜日の午前10時~午後4時まで(昼休み除く)の間、市民の相談を受け付けている。電話番号は973・2111。