谷ケ﨑氏、無投票で3期目当選 「笑顔あふれる安全・安心のまち」掲げ

報告会で3期目の抱負を語る谷ケ﨑氏。右は小谷野選対本部長

 任期満了に伴う日高市長選挙は19日告示され、現職の谷ケ﨑照雄氏(65)=上鹿山・無所属=が無投票で3期目当選を果たした。新型コロナウイルス感染症の拡大が深刻化する中で迎えた選挙。2期8年の実績を掲げ自民・公明の推薦を受けて臨んだ現職への対抗馬は現れず、午後5時の立候補届出の締め切りと同時に無投票当選が決定した。感染拡大防止のため、上鹿山の選挙事務所前で開かれた当選報告会は規模を縮小、時間も短縮して行われ、谷ケ﨑氏は「新型コロナの危機を乗り越え、1日も早く復興できるように力を尽くしたい」「“笑顔あふれる安全・安心のまち”の実現に向け、今後4年間、誠心誠意頑張っていく」などと決意を新たにした。

 1日限りとなった市長選。谷ケ﨑陣営は午前8時に選挙事務所の目の前にある高麗川神社で必勝祈願を行い、立候補届出を済ませた後、9時に出陣式を実施。大久保登後援会長、選対本部長の小谷野五雄県議、清水満雄選対総括責任者など後援会関係者、山田一繁市議会議長や市議などが出席したほか、前知事の上田清司参議院議員も駆け付けエールを送った。

 新型コロナ影響下で「街頭演説はしない」「握手はしない」など選挙活動は最小限にとどめ、出陣式終了後に遊説カーが市内を巡回し、谷ケ﨑氏は事務所で待機。

 無投票当選決定の知らせを受けて開かれた報告会には、山田市議会議長や日高市議をはじめ、飯能市の大久保勝市長、平沼弘市議会議長、内沼博史県議など、近隣市町の首長、議長、議員らが駆け付け当選を祝福。マスク姿の出席者たちは間隔を十分に開けて並び、万歳三唱などのセレモニーは自粛、谷ケ﨑氏と由美子夫人に後援会の女性から花束が贈られた。

 大久保後援会長、小谷野選対本部長、清水総括責任者は関係者に感謝し「引き続き皆様と一緒に住みよい日高、住んで良かったと思える日高を作っていって欲しい」「2期8年の成果が市民に認められた結果。更に谷ケ﨑市政を支え、盛り立てて頂けたら」などと呼びかけた。

 拍手を受けてマイクを手にした谷ケ﨑氏は、2回連続で無投票当選となったことについて「選挙が無いというのは私としてはプレッシャーがある。市民の皆さんに2期8年の成果を評価して頂いたと思うと同時に、政治離れが進んでいるのではないかという危惧も感じている。政策を争って市を良くするために選挙をすることは必要。だが、今回は新型コロナの状況下ということもあり、市民への影響を考えると1日で終わったことは良かったとも思う」と複雑な心境を吐露。

 深刻化する新型コロナについて「皆で力を合わせて打ち勝っていかねばならない。市民の生活を守っていくことが第一。市内の中小企業、小売業の人々の生活を守っていくために、国、県とともに市としても対策を取っていきたい」とし、「市の業務がストップしてしまうと市民に多大な迷惑をかける。市役所の機能維持のためフレックスタイム制を導入し、サテライト方式で職員の勤務場所を分散させていくような対応をしていく」と述べた。

 3期目の展望として「今後4年間、日高は大きな事業を抱えている」として、高麗川駅東口開設について「前市長をはじめ歴代の市長が目指してきたもの。用地買収もほぼ終わり、駅舎の建設もJR東日本と協定を結び設計に入っている段階。あと何年かすれば新しい駅舎ができる。駅東側の人たちが通いやすい駅舎を目指して取り組んでいく」。

 また、旭ヶ丘地内約35ヘクタールを対象とした区画整理事業について「来年4月の事業認可を目指して担当職員が県と調整を進めている。駅から至近距離、大変良い場所であり、これから高萩地区は大きく変わっていく」などと示した。

 このほか、今年度スタートとなった小中一貫教育については「新型コロナの関係で休校となり出鼻をくじかれた感があるが、小中一貫教育を軌道に乗せたい。1地域に1小学校、1中学校があり、同じ小学校の子どもたちが同じ中学校にストレートに上がっていくという特色を生かし、9年間の一貫した教育を行い、子どもたちの学力を上げたい。1日も早く子どもたちが学校生活に戻れるように念願している」と述べた。