新型コロナウイルス感染症まん延防止策として、飯能市(大久保勝市長)は9日、「自宅での子どもの保育が可能」と申告した家庭に対しては、感染拡大につながる「3つの密」を避けるため保育所への登所(登園)を控えてもらい、緊急事態措置中の5月6日まで保育事業の提供を縮小実施することを発表した。

 国の緊急事態宣言発令を受け、県(大野元裕知事)は、「保育所や放課後児童クラブの社会的機能は最低限維持をされるべきで必要としている方もおられる」としながらも、感染防止対策の徹底を図る観点から、新型インフルエンザ特別措置法(以下、特措法)第24条の規定に基づき、県内市町村に対して、「手、指の消毒、設備の設置やマスクの着用」などの防止対策を講じ、「感染拡大の傾向にある市町村においては、必要な方に保育等が提供されないことがないよう」に配慮しながら、「必要に応じ、保育所や放課後児童クラブについて保育の提供の縮小など」を検討するようにお願いし、県が10日発表した第2段の緊急事態措置でも、保育所等は事業継続が要請された。

 市内では5日に、PCR検査により2人の感染者が初確認されたが、10日現在、その後は感染者は見つかっておらず、感染拡大傾向にある地域には含まれないものと見られる。

 市は、特措法に基づく県のお願いに対し、子どもの命と健康を守ることを最優先に考えるとともに、どうしても子どもを預けなければならない保護者と児童のためにある社会福祉施設としての保育所という設置目的を基本に据え、閉鎖すれば子どもの居場所がなくなってしまう、ということに配慮し、基本的に開けるというスタンスで対応を決めた。

 保育所内で「3つの密」状態を作らずに、ゆとりを持った保育環境を確保するために、5月6日までの期間中、自宅で子どもの面倒を見ることができるという保護者に対しては、できれば登所を控えてもらえるようにお願いした通知の文章を作成し、9、10日に登所した保護者に手渡したり、郵送で配布した。

 保育課の担当者の話では、「9日から既に、うちの子は休みます、と連絡して来る保護者も多いですが、規模を何人にまで縮小するとか、医療関係者や警察、消防関係者以外の保護者のお子さんの登所をお断りするような処置をする予定はありません」と、明らかにし、登所を控えてもらうのは、あくまでも市のお願いに応じた家庭の子どもに限られる。保育時間の短縮なども実施しない。

 放課後児童クラブについては、学校の休業措置により、本来学校生活を送っている時間に過ごす場所を失った子どもたちを、午前中から受け入れるが、既に学童保育クラブに登録している子どもに限られ、未登録の子どもを新たに受け入れることはできない。また、保育所同様、自宅で子どもの面倒を見ることができるという保護者の子どもには、5月6日まで保育所同様に学童保育クラブへの登所を控えてもらうようにお願いする。

 保育所等の感染拡大防止の取り組みは以下の通り。

 ①衛生管理の徹底

 今まで以上に衛生管理を徹底する。換気、おもちゃのアルコール消毒、次亜塩素酸ナトリウムの一方拭き取り掃除。

 ②児童の登所

 37・5度以上の発熱及び呼吸器症状がある児童は登所できない。解熱後24時間が経過していない児童は登所できない。解熱後24時間経過したが、依然呼吸器症状が続く場合もお休みをお願いする。保育中の発熱など体調が思わしくない場合は連絡、お迎えをお願いする。

③健康管理

 毎朝、必ず検温。保護者にも検温ならびに手洗い、マスク着用を含む咳エチケットや手指消毒を徹底する。

④送迎時

 迎え時における保護者への児童引き渡しは、全保育所において戸外のテラスで児童を引き渡す。

⑤保育時

 お昼寝は、通常よりも間隔を広げ、顔と顔が近づかないように布団を敷く。また、昼寝時の換気は20分に一回実施。バイキング形式の給食は中止。給食前のテーブルは、次亜塩素酸ナトリウムで拭く。子どもの手洗いはこまめに行う。

⑥児童の体調管理

 健康観察票に「咳」、「倦怠感」の枠を加え、毎朝、児童ならびに全ての職員1人ひとりの状況確認を徹底。

⑦職員の体調管理等 

 毎朝の検温ならびに手洗い、マスク着用を含む咳エチケットや手指消毒を徹底する。

⑧その他

 咳をしている児童は登所できない(例:呼吸器系疾患がみられるケース。児童が花粉症で咳をしている。「花粉症なので預かってほしい」と言われた場合、耳鼻科等で薬を処方してもらい、咳が止まってから登所してもらうよう、保護者に伝える)。

 新形コロナウイルスによる感染症のまん延がより深刻度を増し、国や県の緊急措置がより強化されたり、市内が感染の拡大が懸念される地域になった場合や、保育所に感染者が出てクラスターが発生した場合などは、居場所がない子どもを作らないように十分配慮しながら、その保育所を閉じる等、状況の変化に応じ検討の上、対策を強化する。