樹齢450年、枝広げ満開 霊巖寺のシダレザクラ

 日高市新堀の霊巖寺(渋谷満行住職)の本堂前に立つシダレザクラの古木が満開を迎えた=写真=。渋谷住職によると、樹齢約450年、樹高6・4メートル、幹周り3メートル。支柱に支えられながら周囲に枝を伸ばし、垂れ下がった枝先に淡紅色の花を連ねている。

 同寺の創建は明らかでないが1000年以上前とされ、江戸時代に本堂、山門、庫裡などを焼失し、明和6年(1769年)に再建。火災の際には、「本尊の地蔵尊を描いた掛け軸が火中から飛び出し、本堂前の桜の枝に掛かり難を逃れた」との言い伝えがある。

 言い伝えにも出てくるのがこのシダレザクラ。歴史深いサクラを一目見ようと、毎年、開花時期には市内外から多くの人々が訪れている。

 近隣を散策中に偶然、このシダレザクラを見つけ、寺に立ち寄ったという東久留米市の60代夫婦は、「とても見事な花で、枝ぶりも立派。樹齢が400年以上と知って驚いた。日高市にはよく来ているので、春の楽しみが増えた」と笑顔を見せた。

 境内のソメイヨシノなども見頃を迎えており、渋谷住職は「新型コロナの影響で花見は自粛となっているが、散歩がてら楽しんでもらえたら」と話している。