大野知事が被災現場を視察 ウズラ飼育舎や全壊の橋

久保ノ下橋周辺を視察する大野知事

 埼玉県の大野元裕知事が20日、日高市を訪れ、台風19号で被害を受けた現場を視察した。浸水によりウズラ10万羽が死んだ新堀のモトキ日高事業所、高麗川の増水で全壊した新堀橋、久保の下橋の3か所を訪れ、被害状況をつぶさに確認、早期復旧や市との連携強化に取り組む考えを示した。

 大野知事は午後1時過ぎに総合福祉センター高麗の郷に到着し、約1時間かけて3か所を視察。日高市選出の小谷野五雄県議、谷ケ﨑照雄市長、山田一繁市議会議長、金子昭副市長、県西部地域振興センター、県農林部、飯能県土整備事務所、市の職員が同行した。

 県内唯一の養鶉(じゅん)場として約20万羽のウズラを飼育し、年間約4000万個の卵を生産するモトキ日高事業所では、近くを流れる高麗川の水が溢れ、ウズラを飼育する鶉舎が約1メートル浸水、約10万羽が溺れて死ぬ被害に遭った。

 この日も、従業員たちが生き残ったウズラの世話とともに片付けに追われていた。大野知事は鶉舎の様子を見ながら同社の本木信一専務から被害状況を聞き、従業員を激励した。

 その後、市内の新堀と北平沢を結ぶ新堀橋、北平沢と南平沢を結ぶ久保ノ下橋を視察。市内では、これに新堀と野々宮を結ぶ新井橋を加えた、橋面が木製でできた「木橋(もっきょう)3橋」がいずれも全壊した。

 新堀橋は橋脚が無残に倒れ水の引いた川岸に橋面の一部が姿を現し、久保ノ下橋は倒れた橋脚からはずれた橋面が下流方向に折れ曲がった状態で河川敷に横たわっていた。

大野知事は飯能県土整備事務所の職員から橋の構造などについて説明を受け、自身のスマートフォンで被害状況の写真を撮るなどし、谷ケ﨑市長からの「橋は住民生活に欠かせない。1日も早い復旧を図る必要がある」との声に頷いていた。

 これらの木橋は、乗用車1台がやっと通れるほどの幅員。災害に伴う復旧は原形復旧が原則だが、小谷野県議からは「これまでにない被害。橋の復旧にあたっては幅員を広げ、災害に強い丈夫な橋に架け替えることはできないか」との声も上がった。

 視察を終えた大野知事は「今回の台風は、地域で頑張っている方々に想像を超える被害を与えた。今後も異常気象による災害が常態化することを想定していかねばならない。復旧に向けて可及的速やかに対処し、皆様に安心して頂ける体制を築けるように、市、国とタッグを組んで進めて参りたい」と話した。