0619飯能高

令和5年度統合の予定が示された飯能高校(上)と飯能南高校(下)

令和5年度統合の予定が示された飯能高校(上)と飯能南高校(下)

 県教育委員会は19日、県庁第二庁舎で定例会を開き、「魅力ある県立高校づくり第1期実施方策(案)」について協議した。この実施方策案には、飯能高校と飯能南高校を統合し、新設高校を現在の飯能高校に設置する案が示されていたため、飯能市(大久保勝市長)及び飯能市教育委員会(今井直己教育長)、飯能市議会(平沼弘議長)は18日、この方策案に反対の意思を表明するため、19日の県教委定例会で、実施方策案を協議しないことを求めた「要請書」及び「決議」をまとめ強く要望していた。また、18日の市議会で、加藤由貴夫議員(みどりの会)の緊急動議に対する上良二副市長の答弁で経緯の詳細が初めて明らかになった。

 魅力ある県立高校づくりでは、令和11年4月までに、3期程度に分けて県立高校の再編整備を実施するもので、第一段階の「第1期実施方策案」には令和5年度に飯能高校と飯能南高校を統合し、新設高校を現在の飯能高校に設置する案を含んでいる。

 この統合案は、17日の市議会閉会後に開かれた代表者会議の中で、初めて市議会議員が知るところとなり、問題が一気に表面化した。

 飯能市議会は、同案が「児童生徒に大きな影響を及ぼし、市が進める地方創生を後退させる極めて重大な問題」であることから、19日の県教委定例会で同案が協議される前に、議会としての意思を県教委に伝える必要があると判断、18日の一般質問終了後、加藤議員が市にことの経緯と見解を質す緊急動議を行った。

 加藤議員は、「これまで市側から一切の報告は受けておらず、突然の情報提供に驚きを隠せない。市は既にこのことを知っていたのか。市民はもとより、市にとって大きな損失。市の考えは」などと、見解を質した。

 これに対して、病気療養中の大久保市長に代わって上副市長が答弁し、「飯能高校と南高校を統合し新高を設置する話は6月11日に県教委より市側に初めて知らされ、同日午後4時に県担当者が来庁し、私と教育長、教育部長にこの案が示された。突然の申し出であったが、これは決定事項で19日の県教委定例会に議案として提出するということで、19日まで非公開とするよう指示された」。

 「それ以前には一切知らされておらず、秘密に進められていたのが事の真相。連日方針案の撤回と議案の取り下げの働き掛けを行ったが承諾されない見込みであることから、本日(18日)、県教委教育委員長に対して、市側や市民に全く配慮しない一方的な進め方に対する遺憾の意を表明すると共に、県教委定例会への上程議案取り下げ要請書を飯能市長と、飯能市教育委員会教育長の連名で提出した」「全く市側の意思を無視した今回のやり方に対して、我々として理解に苦しむ」などと、県教委の対応に当惑するとともに、憤りを禁じ得ない答弁だった。

 続いて野田直人議員(みどりの会)が議事進行を行い登壇。「飯能市議会としても、このことに異議申し立ての意思を表し、あす(19日)の県教委定例会前に、上程議案の取り下げを求める意見書等を議決すべきではないか」などと発言。

 議会は直ちに代表者会議等を招集、「埼玉県教育委員会定例会への上程議案取り下げを求める決議案」を提出し全会一致で議決した。

 可決成立した決議は、両校統合と新校設置は、「本市及び近隣自治体に居する児童生徒に多大な影響を及ぼすだけでなく、本市が進める地方創生を後退させる極めて重大な問題」と指摘するとともに、「本市との具体的な協議や調整等の一切の手順を怠った上、一方的かつ強硬に推し進める当局の対応は極めて遺憾」と、県教委を厳しく糾弾し、19日の県教委定例会への「実施方策案」の上程取り下げを強く求めた内容。

 また、市及び市教委も、大久保市長と今井教育長の連名で作成した「埼玉県教育委員会定例会への上程案取り下げ要請書」を18日に、県教育委員会の小松弥生教育長宛に送った。

 この要請書も、議会で行われた上副市長の答弁に沿ったもので、議会の議決とほぼ同内容の文章。

 県教委定例会で、両校統合、新校設置等の内容を含む実施方策が協議され結果が公表された後も、市、市教委、市議会は、同案の撤回を県及び県教委に求めていく方針で、全市一丸となって飯能高校と飯能南高校の2校を守っていく体制が整いつつある。