全国で頻発し、気をつけているつもりでも、犯人グループの巧みな話術により騙されてしまうケースが後を絶たない振り込め詐欺。日高市では21日、22日の2日間で3件の振り込め詐欺事件が立て続けに発生、いずれも市職員や金融機関職員を名乗る複数の男から保険や年金の「還付金がある」との電話を受け、ATMに誘導されて指定された口座に現金を振り込んでしまい、3人の女性が計550万円を騙し取られた。実際の被害に遭わずとも、こうした電話を受けている市民は大勢いると見られ、日高市役所にも市民から「市役所職員を名乗る不審な電話があった」との連絡が連日寄せられているという。市は被害を防ぐため、市ホームページを通して改めて振り込め詐欺の具体例を紹介、不審な電話を受けた場合は、飯能署へ連絡するよう呼びかけている。

 今回、日高市で起きた3件の還付金詐欺事件は、いずれも被害者宅に市役所職員や金融機関職員を名乗る男から複数回にわたって電話があり、「保険の還付金があります」「本日が手続きの最終日です」「ATM機で手続きできるので、行ったら電話して下さい」などと言葉巧みに被害者を誘導。ATMから電話をさせ、「指示どおりにATMを操作して下さい」などと言って指定口座に現金を振り込ませた。

 こうした振り込め詐欺では「手続きがきょうまで」「締め切りを過ぎている」「本日中に支払わないと法的な手続きをする」などと言って相手を慌てさせ、冷静な判断ができないようにしてATMへと誘導するのが常套手段。また、今回の事件は3件とも振り込んだ場所がスーパーマーケット店内のATMで、金融機関職員が常駐していないATMでは、被害者の異変に気付くことが難しい。

  日高市は、相次ぐ振り込め詐欺の発生や予兆電話が横行している状況を受け、改めて市民に注意を喚起。防災行政無線(広報塔)を使った放送を実施しているほか、ホームページを通じ、「巧妙化する振り込め詐欺にご注意を!」として、詐欺の手口の具体例を紹介している。

 市危機管理課は、「還付金などがATMで支払われることはありません」とした上で、不審な電話を受けた際は、慌てず、家族への確認と共に警察へ連絡する、また、予防策として犯人と直接話すことを避けるため、在宅中でも留守番電話機能を使うなどの対策を呼びかけている。

 市ホームページに示された振り込め詐欺の具体例は次の通り。

 【息子や警察官、市役所職員を装った内容】

 ▽「市役所の福祉課の○○です。還付金の案内の通知を送付しましたが回答がないので電話しました。期限が過ぎてしまいましたが、今ならまだ手続きできます」などと話した後、「取引のある金融機関を教えてください。本来は金融機関本店での手続きが必要ですが、今なら市内の現金自動預け払い機(ATM)で手続きできます。いつなら出かけられますか」などと言って機械を操作させて現金を振り込ませる。

 ▽「社会保険庁(市役所保険課等)の者ですが、医療費(保険料等)の還付金があります。還付手続きには年金受給口座とキャッシュカードの暗証番号が必要となります。職員がキャッシュカードを預かりにいきますから手渡してください」などと言って、キャッシュカードを騙し取ろうとする。

 ▽「電車の網棚にバックを忘れた」や「風邪をひいて病院へ行ったら、トイレの中にバックを忘れた。バックの中に会社の重要書類や小切手、携帯電話、財布が入っていた」などと話した後、「今日中(今月中に)に、現金を取引先に渡さなければ解雇されてしまう」などと言って現金を要求する。

 ▽「会社の金を使って副業をしていた。失敗して赤字を出した」や、「会社の金で、同僚と株をやって失敗した」などと話した後、「会社に監査が入るから大至急現金を用意してくれないか」などと言って現金を要求する。

 ▽「浮気相手に子供ができてしまった。相手の主人に知られ○○万円要求された。既に裁判所に書類が提出されてしまったが、今日の○時までに金を払えば、今回のことは白紙になる」などと言って現金を要求する。

 ▽「犯人を捕まえたら、あなた名義の通帳が見つかった」や、「個人情報が漏れている」などと話した後、「キャッシュカードを止めたほうが良い。これから銀行員(郵便局員)を向かわせるので、キャッシュカード(通帳)を渡してください」などと言って、キャッシュカードを騙し取ろうとする。

 ▽「詐欺グループを逮捕したら、あなたの口座があった。凍結しなければならない。凍結前に口座のお金を別口座に移す必要がある。これから銀行協会の者が向いますので、お金を下ろして待っていてください。その者に現金を預けてください」などと言って現金を要求する。

 ▽「俺だけど、仕事の関係で急に金が必要になった。会社の経理の○○さんがとりに行くからお金を渡して」などと言って現金を要求する。

 ▽「実は、借金して投資したが失敗してしまった。」などの話をした後、別の者が、「○○ファイナンスの○○です。○○時までに現金を振り込んでください」などと言って現金を要求する。

 ▽「給料が上がった。税金対策のためにお母さんの口座に○○万円振り込む」や、「プレミアムって知ってる? 利率がいいので、入ったほうがいい」などと話した後、「プレミアムに入るための口座番号を教えて」や、「手続きでエラーが出てしまったのでキャッシュカードの暗証番号を教えて」などと言って、聞き出した口座から現金を引き出そうとする。

 ▽「会社に内緒で、浄水器販売の副業をしていたが、浄水器の仕入れで損失を出してしまった。穴埋めのために現金が必要だ」などと言って現金を要求する。

 ▽「学校のことで、どうしてもお金が必要だ。でも、父さんには言わないで」などと言って現金を要求するとともに、事件が発覚しないよう口止めまでする。

 【融資保証や架空請求、還付金詐欺など】

 ▽融資保証の名目で、金利を示すなどして融資を持ち掛けた後、供託金名目で現金を振り込ませようとする。

 ▽「有料サイトの退会手続きがとられておらず、未納金があります。サイト運営業者と和解裁判をする必要があり、手数料が○○万円必要」などと現金を要求する。

 ▽「誤発注した証券のキャンセルをめぐり、トラブルになっている。トラブルを解消するためには○○万円が必要」などと架空の請求をする。

 ▽「○○証券の者です。○○株式会社の株を○○万円分、あなた名義で購入しましたが、今回の取引には問題(インサイダー取引等)があります。この取引を解消させるためには、○○万円必要なので振り込んで(郵送して)ほしい」などと架空の請求をする。

 ▽「○○市役所(社会保険事務所)の者です。医療費の過払いがありましたので、還付の手続きが必要です。すぐにATMへ行ってください」など、還付金を口実に現金を騙し取ろうとする。