前年大幅上回る予算規模 新商工会館建設着工へ

 飯能商工会議所(矢島巌会頭)の第93回臨時議員総会はこのほど、飯能市富士見地区行政センターで開かれ、2019年度事業計画案及び同収支予算案など上程された全4議案が可決、承認された。今年度は、いよいよ新商工会館の建設工事が始まる。会館建設をメーンに、中心市街地賑わい創出のためのイベントなどを企画実施する「中心市街地賑わい創出協議会」を関係団体と立ち上げるなど、各種ソフト事業も展開する。

 総会の議案は、①2018年度商工会議所会館建設特別会計収支予算案②2019年度事業計画案③同収支予算案④新入会員の承認の4件。

 同商議所の会計は一般会計、小規模事業会計、収益事業特別会計、労働保険事業特別会計、商工会議所会館建設特別会計の5会計あり、計上された2019年度予算総額は5億7998万1000円となった。これは、箱物事業である新商工会館の建設に着工するための予算措置で、前年度予算の1億8358万6000円を約3億9640万円上回った。

 このうち、会員からの会費、検定料や事務委託金などの事業収入、市補助金などからなり、事務費や職員給与、事務費などいわゆる商議所の運営に充てられる一般会計については、前年を約8150万円上回る1億6773万9000円が計上された。増額は、新会館建設に伴う積立金の取り崩しによるもの。

 2019年度のメーン事業ともいえる旧商工会館跡地への新商工会館建設工事のほか、今年度の主な事業としては駿河台大学と連携して、コミュニケーションツールである「LINE」の位置情報連動型サービスを利用し、飯能駅内で駅利用者へ市に関する情報を発信し、またメッツァから中心市街地に人の回遊を促すといった取り組みを行う。

 また、商店街連盟、市、観光協会、ムーミン物語社と連携し、中心市街地の賑わいのため、イベントなどを企画、実施する中心市街地賑わい創出協議会を立ち上げる。

 重点実施する主な事業は次のとおり。

 【財政基盤強化に関する事業】

 ▽平成31年度会員目標1620件(新規加入事業所数80件)▽アクサ生命保険(株)と連携して、春季と秋季の2回、共済加入キャンペーンを全所的に展開する。

 【商工振興に関する事業】

 ▽飯能市全体の活性化を図るため、飯能市と連携して創業者支援並びに空き店舗利用促進を図る▽飯能市、不動産業者(団体)と連携して、当所ホームページ上に空き店舗情報を掲載し、事業者や創業者への利用促進を図る▽駿河台大学と連携して飯能駅来場者を対象に、LINEビーコンを使って飯能市に関する情報を発信するBOTへ誘導し、利用普及を図る。また、メッツァにも誘導ビーコンを設置し、二つのBOTを連携させ、メッツァから飯能市中心市街地の人の回遊を促す。

 ▽キャッシュレス決済の導入・簡易(モバイル等)POSレジ及びクラウド会計ソフトの導入支援、普及を図り、管内商工業者の販売機会の維持・向上と共に、バックオフィスの作業軽減による生産性向上を支援する。また、事務局内に同体験コーナーを設置し、気軽に体験できる環境を整備する▽中心市街地起業実践カンファレンスの取り組みを進める▽飯能市商店街連盟、飯能市、奥むさし飯能観光協会、(株)ムーミン物語と連携し、中心市街地に賑わい創出を図るため、イベント開催等を企画実施していく中心市街地賑わい創出協議会を組織する。

 ▽第8回埼玉県西部地域産業ミニ商談会を積極的に活用し、管内事業者の販路開拓支援を行う▽飯能商工会議所と青梅商工会議所との交流会を開催する。

 【経営改善普及事業】

 ▽創業希望者を対象に、創業に関する知識を学べるセミナーを開催する▽経営革新等認定支援機関として、経営革新支援事業を積極的に実施し、計画承認事業数16件を目標とする。さらに承認事業者に対して広報費一部補助する。

 【商工観光事業に関する事業】

 ▽第9回震災復興元気市を開催する▽はんのう路地グルメ2019を開催する▽はんのうパンフェスタ2019を開催する▽小規模事業者地域力活用新事業全国展開支援事業に基づき「都市回廊空間と山間地をつなぐ新滞在型観光の開発事業」協議会を組織し実施する。

 【青年部・女性会の活動に関する事業支援】

 ▽埼玉県商工会議所女性会連合会の会長および事務局を受託し、事業を運営する。

 【商工会館の整備・運営に関する事項】

 ▽飯能商工会議所会館建設特別委員会を中心し、建設を推進する。