学生部門最優秀賞に選ばれ感激の表情を見せる駿大生と講評を行う吉田学長

学生部門最優秀賞に選ばれ感激の表情を見せる駿大生と講評を行う吉田学長

 飯能市の地域資源を活用したプランを募集し、まちを輝かせ、地域活性化を図ることを目的とした駿河台大学・飯能信用金庫主催の第12回「輝け!飯能プランニングコンテスト」の最終審査会がこのほど、同市稲荷町の飯能信用金庫研修所で行われた。学生や市民から実現性のあるプランやユニークなアイデアが集まり、最終審査会では1次審査を通過した一般部門(個人・団体・法人)4点、学生部門(大学生・専門学校生・高校生)4点の計8プランの審査が行われ、最優秀賞、優秀賞を選出。学生部門では駿河台大学心理学部3年の川村由佳さん、佐藤由莉枝さん、寺田桃子さんによる「飯能の魅力をお知らせし隊」が最優秀賞に選ばれ、一般部門は最優秀賞の該当はなく、優秀賞として、小野まりさん(中藤下郷)が提案した「歴史的建造物再生事業“飯能アート&クラフト・センター」、小林愛さん(原町)が提案した「子育てママの飯能魅力発信」の2点が選ばれた。

 12回目を迎えた今年の応募総数は学生部門7、一般部門11の計18点。1次審査会を通過した8プランの最終審査が行われた会場では、開会にあたり駿河台大学の吉田恒雄学長が「このコンテストは、飯能の人・もの・自然・企業など地域資源を活用したプランを立てて頂き、これを実現して飯能をより賑やかな力強いまちにしようというのが目的。例年、アイデアが新鮮、ユニークというだけではなく、発表者の皆さんは飯能を良く調べてどうしたらよいかを考え、プランを練り上げており、飯能を愛し、なんとかしようという強い気持ちが現れている。今回も非常に楽しみにしている。ぜひ皆さんの力で飯能を盛り上げて頂けたら」と挨拶。

 また、審査員を務めた大久保勝飯能市長は「何事も失敗は仕方ないが、大失敗はいけない。大失敗というのは何もやらずに人を批判すること。失敗を恐れず攻めの市政運営を行うのと同じように、攻めのプランニングが大切。期待している」などと激励した。

 プレゼンテーションは学生、一般の順に行われ、出場者たちは審査員を前に、あらかじめ作成した資料やサンプルなどを示しながら、バラエティに富んだアイデアを発表した。

 学生部門で最優秀賞に選ばれた駿大生3人のプラン「飯能の魅力をお知らせし隊」は、飯能のイベントに若者の参加を促すことを目的に、若者が興味を引くような広報活動を考え、発信するもの。

 SNSでの情報発信を中心に「簡潔で飽きがない文字数」「写真を添付」「見た目が華やか」「情報を随時流す」「拡散を促す」ことを心掛けた広報内容を検討、昨年10月に行われた「はんのう路地グルメ」で実際にTwitterでの広報を行い、どのくらい若者が参加したのかを調べるとともに、効果的な発信内容や媒体、発信する時間帯などを調査した。

 3人は「実際に飯能のまちを歩き、イベント等に10~20代の若者の参加が少ないことが分かった。若い世代は、これからの飯能市を担い、流行を作り出す力、情報発信力が強いという特徴がある。若者が参加することでイベントが活性化すると考え、若者へのアプローチの方法として今回の提案をまとめた」という。

 表彰を行った吉田学長は「表彰のポイントは、学生らしかったという点。きちんと調査をし、地元の人のヒアリングをし、結果をまとめ、調査に基づいてアイデアを出し、そして、プレゼンでの笑顔の発表が非常に良かった」と評価。

 涙ながらに表彰状を受け取った川村さんは「ゼミの先生の指導や先輩たちからのアドバイスのおかげ。実現に向けて頑張りたい」と喜んだ。

 一般部門は審査が拮抗し、優秀賞が2つという結果に。

 小野さんが提案したプランは、歴史的建造物を次世代に残すための再利用と地域活性化を目指すもので、国の有形文化財「飯能織物協同組合事務所」(飯能市仲町)の再活用として、「飯能ORIKYOアート&クラフトセンター」を立ち上げ、飯能にゆかりのある美術・工芸家の作品展示販売、ティールーム、教室や貸しスタジオ、観光情報の発信、季節に合わせたフェアの開催などを行う。

 助成金や補助金、クラウドファンディング、企業・市民団体などの協力により官民連携の事業形態を取り、営利を目的としない歴史的建造物を次世代に残すための事業として、英国のナショナル・トラストの方式で進めることを提案。

 小野さんは昨年まで16年間、家族で英国に移住し、NPO法人ナショナル・トラストサポートセンターの代表を務めており、「絹織物と西川材で栄えた飯能市街の面影を残す織協の建物は3年後の2022年に築100年を迎える。この織協を舞台に、英国ナショナル・トラストの理念に基づいて芸術文化の薫り高い、気品あふれる場所を提供し、市のイメージアップに努めたい」としている。

 小林さんの提案は、子育て中の女性が今までに培った特技・資格・技能などの経験を社会に発信できる場所を作ろうというもの。

 小林さんは子育て中の女性たちと平成27年に「子育て中のママ講師による子育て中のママのためのリフレッシュスクール」を始め、料理、フラワーアレンジメント、座禅、木工などの講座を託児付きで開催。昨年8月には現在閉鎖中の丸広百貨店8階で「夏休み親子のためのワークショップ」を開催し好評だったことから、同会場を定期活用し、作品販売や講座の開催などを実施する。

 英語を含めたホームページを開設し、ドライフラワーを専用の液体に入れ鑑賞するハーバリウムを応用した作品、飯能の土を使った陶芸、西川材の端材を使ったストラップ、アクセサリー、消しゴムはんこなど、飯能をPRする体験型ワークショップへの参加を呼びかけ将来的には、市外の子育て中の母親の作品も集めてのネット販売や、子育て中だから気づくこと、子育て中にしか思いつかないアイデア商品の開発などを行いたいと提案。

 小林さんは「母親が子どもと一緒にいきいきと自分の能力をアピールし、学べる場を提供し、市外、海外を含めた多くの人に女性と子どもに優しいまち飯能を発信する。この事業によって自分らしく子育てをしながら頑張っている多くの女性の夢を叶えることができると考えている」と語った。

 一般部門の表彰を行った飯能信用金庫の大野孝男理事長は「歴史的建造物再生事業は抜群のプレゼン、“子育てママ”も社会的問題や今の時代に求められる内容として甲乙つけがたく、両者ともに優秀賞とさせて頂いた。どちらも素晴らしい内容だった」と評価。

 その後、駿河台大学の狩谷求名誉教授が全体の講評を行い、改めて閉会挨拶に立った飯能信用金庫の大野理事長は「発表頂いた方々には、知恵を絞って飯能の活性化、発展のために良いアイデアを出して頂き、心から敬意を表したい。それぞれのプランが一つでも多く事業化に結びつき、飯能の活性化につながるよう、我々もできる限りの支援をして参りたい」と述べた。

 プランニングコンテストの結果は次の通り。

 【学生部門】

 ▽最優秀賞=「飯能の魅力をお知らせし隊」川村由佳、佐藤由莉枝、寺田桃子(駿河台大学)

 ▽優秀賞=「アパレルショップ“T.T.T”による、ファッションと食がもたらす飯能市の活性化」岩井亜樹(ファッションカレッジ桜丘)、「はらもちモチmochi~ホットなスナック“うドッグ”etc」鈴木聡太、上原直哉、北原友里、平良はるな(駿河台大学)、「東吾野小学校 農業体験畑整備計画」片居木大智(同)

 【一般部門】 

 ▽優秀賞=「歴史的建造物再生事業“飯能アート&クラフト・センター”」小野まり、「子育てママの飯能魅力発信」小林愛

 ▽アイデア賞=「飯能市から日本の幸福度を上げていく取り組みを創造する」奥田健司、「“飯能盛り(はんのうもり)”でつながる街・山・人」伊東敬太