3月に待望の供用開始 市南北繋ぐ飯能茜台大橋

クリーンセンター側から見た飯能大河原線。後方が飯能茜台大橋

 飯能市が約30億円を投じ、平成23年度から建設を進めている大河原地内の県道青梅飯能線と同市立飯能西中学校前の市道を結ぶ新街路「飯能大河原線」と、同線入間川横断部のアーチ型新橋梁「飯能茜台大橋」が、今年3月2日に待望の開通を迎える。供用開始することで飯能大河原工業団地などへの資機材搬入用の大型車両などは、狭幅員だった岩根橋を渡橋する必要性はなくなり、入間川を挟んだ住民の南北間移動も円滑化すると期待されている。

 飯能大河原線は、市クリーンセンターの市街地寄りの大河原地内から北進し、入間川を跨いで県道飯能下名栗線と交差した後、その北側を東西に延びる飯能西中前の市道に進入する形で整備着手されている新街路。

 延長は746メートルで、車道部8メートル、歩道部西側2・5メートル、同東側3・5メートルの14メートル幅員。飯能大河原工業団地や入間川両岸地区のアクセスを確保するのが目的。

 飯能大河原工業団地は、工業団地としては首都圏最大級という71・8ヘクタールの広さがある飯能市の地方創生事業にも密節に関係する施設。地質的に大部分が堅固な地質と言われる「秩父古生層」と「関東ローム層」から成り立っているため、市は「地震に対する安全性が高い地域」をキャッチコピーに、同団地への企業誘致を積極的に推進。地道な企業回りなどの営業努力が実り、現在の立地企業数は31社を数え、立地割合は100%に達している。

 工業団地の立地で成否の鍵を握るのは、高速道路のインターチェンジに近いなど、物流を支えるインフラである主要幹線道路とのアクセス。飯能大河原工業団地は、首都圏中央連絡自動車道の「青梅インター」「狭山日高インター」から、ともに約9キロメートルという至近。

 しかし、大型車両が飯能市街地方向から団地へ向かうには、市民会館前の市道から県道飯能下名栗線に進入し、岩根橋を渡らなければならないのが難題だった。岩根橋の車道は7メートルと狭い上、両岸の道路ともにほぼ直角に近いような形で接続されているため、大型車両の通行に支障をきたしていた。

 飯能茜台大橋を含む飯能大河原線が開通すると、圏央道狭山日高インターを降り、飯能大河原工業団地へ向かう車両は国道299号バイパスから、武蔵ケ丘付近で川寺上野線に入り、図書館西側の交差点を右折し、飯能西中学校付近で飯能大河原線に左折するという主要幹線ルートで到達できる。

 飯能茜台大橋は、下部のアーチが桁を支えるようなデザインで、岩根橋から500メートルほど上流に架橋されており、橋長は84メートル。飯能大河原線と同じ幅の車道と歩道構成となっている。

 橋梁の照明については、橋から立ち上がるポール状ではなく、LEDライトを高欄に埋め込む方式が採用された。

 供用開始する3月2日は、飯能大河原線と県道飯能下名栗線交差点を会場に、午前10時から式典が行われ、その後、午後1時に開通する。式典では、本郷囃子保存会がお囃子を、飯能西中と美杉台中の吹奏楽部が合同演奏を披露する。飯能大河原線を南側に向かって歩き、飯能茜台大橋を渡るパレードも予定されている。