新会館建設基本設計を承認 飯能商議所が臨時議員総会

商工会館で開かれた臨時議員総会

 飯能商工会議所(矢島巌会頭)は、19日開いた第92回臨時議員総会に2020年3月竣工に向けて建て替える商工会館の建物基本設計、建設寄付金募集方法など会館建設関連4議案を上程、いずれも承認を得た。臨時議員総会への出席議員は60人中35人で成立。

 提案された議案は、▽基本設計の承認▽建設負担金募集方法▽仮事務所移転先▽解体業者・建設業者選定方法について。議案審議に入る前、金子堅造副会頭が「今回の臨時議員総会は、今までにないような大事な議案がある。ぜひ、皆様のご承認を頂きたい」。矢島会頭が「この建物を建て替えようとの話が決まってから、1年が経った。(現商工会館は)耐震診断をしても不適格で、珠算等の検定もできない状態。2階のトイレも男女一緒のところにあり、こんな建物はどこにもない。そのためにも、建設委員会の皆さんが建て替えた方が良いとの決定をされた」などと挨拶、議案の慎重審議を求めた。

 鉄筋コンクリート造3階建ての現会館は、建設から54年間が経過し、耐震性、耐久性に問題を抱えている。臨時議員総会では、老朽化が目立つ会館の建て替えに向けて議論を重ねてきた建設検討委員会の加藤義明委員長(副会頭)が議案説明を行い、採決の結果、全議案異議なく、原案のとおり可決された。

 新会館の規模は、延床面積約780平方メートルの西川材多用の木造2階建て。公募により選ばれた「(有)野沢正光建築工房」(東京都世田谷区)。が設計業務を担当した。

 会議所は、新会館を西川材利用の先進的モデルとするため、設計業者について一級建築事務所であることなどを条件に、埼玉県内と東京都内から設計業者を木材を多用した新会館のイメージを提案してもらう「会館建設設計監理業務公募型プロポーザル」で公募。

 その結果、応募40社の中から野沢工房の提案が「屋上利用の平屋と2階建ての分棟型のイメージで、まちなみ形成に優れ、木造・西川材の表現に最も富んでいた」と高評価、商工会議所との新会館建設業務に係る委託契約の第一交渉権が与えれた。

 提案された設計については、会館内で事務を行っている、奥むさし飯能観光協会執務室と観光案内所を大通り側に個室として配置するなど、建設委員会の要望を踏まえ、その後、手直しが行われていた。

 今議員臨時総会で、修正点を加えた基本設計の承認を求める案件を上程した加藤委員長は、「最優秀のデザインの根幹はそのままに、それぞれの居室の面積とか配置などを組み入れた。観光の拠点となるべく観光協会さんの窓口を前面の一等地に配置し、市民、観光客の利便性に供するようにした」と議案説明。

 さらに、市民利用として東側の建物1階に催し物などに使用できる多目的ホールを配置したり、西側1階の屋上についてもイベント用に使えることを強調した。加藤委員長によると、建物の面積の約半分は、市民が使えるスペースになっているという。

 建設負担金募集の議案は、建設費総額3億6000万円のうち、1億3000万円をパンフレットを使って商議所役員及び議員、会員及び賛同者から募ることの承認。2億3000万円については商議所積立金と国・県・市からの補助金で賄う。支出の内訳は、建設費2億7000万円、設計費3300万円、外構・内装備品2000万円、解体費2100万円、移転費1000万円、予備費600万円。

 建設負担金の基準は1口1万円と設定され、役員・議員が1人20口以上、会員・賛同者については1人1口以上の寄付とすることが承認された。取扱金融機関と口座番号については今後、発表される。払い込み方法については一括納付のほか、最長3回(3期)の分割納付も可能とした。分割納付の納期については、1期が今年11月から12月まで、2期が来年1月から3月まで、3期が来年4月から翌年3月まで。

 補助金、助成金についてはまだ未確定の部分があるり、設定金額通りに募金が達成されないケースも否定できない。が、加藤委員長は「集まらなかったらどうするんだという懸念もあると思うが、我々としては集まらなかったから、この規模を縮小するとか会館の建設を止めるとは一切思っていない。もし、集まらなかったら銀行の融資も考慮に入れて、グレードを落とすことなくやっていく覚悟である」と心意気を示した。

 工事期間中の仮事務所については、市役所東側の東京電力パワーグリッド(株)川越支社飯能事業所(双柳3534)の1階を間借りする。大通りに面した現在地での業務は1122日までとなり、23日から25日までの3日間、引っ越し作業を行い、26日から東電建物内で通常業務に入る。

 現会館内で事務を行っている、奥むさし飯能観光協会、飯能ロータリークラブ、飯能ライオンズクラブ、アクサ生命川越営業所飯能分室も、商議所と同じ東電のフロアに移る。同じく会館に入居している青年会議所については、東電とは別の場所に間借りするという。

 現会館の解体業者、新会館の建設業者選定方法については、解体と建設工事を分け、今後作成する入札要綱に基づいて募集していくことが決定。加藤委員長は「基本的に業者の免許、資格、技量はもちろんだが、公命公平に選定していく」との姿勢を顕示、解体及び建設工事ともに市内業者からの参画を強く希望した。