1、2番ホーム、階段付近の完成予想図

1、2番ホーム、階段付近の完成予想図

 西武線飯能駅のリニューアル工事が1日、スタートした。北欧「フィンランド」の四季をイメージした駅にする事を、西武鉄道㈱(本社・埼玉県所沢市、若林久社長)が発表した。飯能市宮沢湖周辺で整備が進む「メッツァ」の来年3月16日のグランドオープンに合わせ、工事は同月頃終了する予定。ホームごとに、それぞれ異なる四季を表現したデザインになる。

 飯能市は、自然あふれ緑豊かな奥武蔵の中核をなし、北欧フィンランドの森と湖をイメージしたライフスタイルを提案し、ムーミン童話の世界のキャラクターと出会えるムーミンのテーマパーク「メッツァ」の開園が間近に迫る。

 次第に、飯能地域はムーミンと関わりの深い森と清流のまちという認識が広く浸透しつつあり、また、豊かな自然に恵まれながら都心から近く、アニメ「ヤマノススメ」などの影響もあり、手軽に登山、ハイキング、キャンプ、森林浴などが楽しめる地域として近年人気が高まり、エコツーリズムなどにも多くの人が参加し、ツーデーマーチも年々盛況になっている。

 同鉄道は、飯能駅をムーミン世界の入り口に当たる観光拠点と位置付け、自然あふれる飯能の玄関口にふさわしい駅への衣替え計画を進めていた。

 ムーミン童話を紡ぎ出したトーベ・ヤンソンの故郷フィンランドの森と湖のイメージをできるだけ忠実に再現した「本物のフィンランドデザイン」を取り入れるため、平成29年6月から、同国内で活動するデザイナーを対象にデザインコンペを開始。このコンペは、同国独立100周年事業の一環として、フィンランド大使館との共催で開催され13社が参加した。

 厳正な審査は、同駅や周辺の視察も行われた2次審査まで実施。その結果、最優秀賞受賞デザインは、N.E.O Ark(ネオ アーク)氏作のデザインコンセプト「Sykli(サイクル)」に決定した。

 コンセプトは、「自然環境のサイクルと人間の動きを対比させたデザイン。空間全体を使って、観光客も地域市民もそれぞれ行きたい方向に誘導できる環境を創ることを目指した」もの。

 アーク氏のデザインが選定された理由は、コンセプトを理解したデザインだった事、デザインからストーリー(物語)を感じる事、駅のデザインとして独創的であり、社会の関心を集めるデザインだった事などが、高く評価された。

 アーク氏のデザインを基に詳細設計を練り上げ、飯能駅は、北欧の自然のイメージを取り入れ、ホームごとに四季をテーマにしたデザインの駅舎に生まれ変わる。

 コンコースは、ホームから階段、階段からコンコースへ、市民や観光客がそれぞれの目的の場所に誘われる様に、木材を模した膜天井を施す。誘導を促すカモメをモチーフにした鳥のオブジェも設置する。

 1・2番ホームへの階段は「葦」、3・4番への階段は「樹木」をモチーフに、木材を使用したデザインに。階段の天井部には、鳥を用いた造形物を設置し、ホームからコンコースに移動するときに、気持ちを高めるような空間を目指したデザイン設計となる。

 1・2番ホームは「春」、3・4番は「夏」、特急ホームは「冬」がコンセプトイメージ。

 1・2番ホームは、コンコースの天井同様に幕天井を用い、植物の葦をモチーフにしたデザインにして、解放的空間になるように設計される。

 3、4番ホームは、夏の樹木をモチーフに、木の雰囲気が醸し出されるような造形物をホームに設置する。

 特急ホームは、照明で粉雪を表現し、壁もベンチとして使用できように凹凸を付け、機能性も兼ね備えたデザインになる。

 10月1日からの工事は、コンコース部分から始まり、その後順次進められ、「バレーパーク」の開園により、来年3月16日グランドオープンする「メッツァ」に合わせ、同月頃に工事を終える計画。

 工事の進捗によって、コンコースや階段、ホームなどが一時狭くなる事もあるが、同鉄道では、ポスターなどを掲示し駅の利用客に協力と理解を求める事にしている。駅利用の市民や観光客にできるだけ不便を掛けないように、安全にも万全の配慮を心掛けて、リニューアル工事が進められる。