「消防団の甲子園」全国出場へ 日高市消防団3分団

和田団長を囲み優勝を喜ぶ出場メンバー

 鴻巣市の埼玉県消防学校で開催された第30回「埼玉県消防操法大会」(8月4日)ポンプ車の部で、日高市消防団(和田貴弘団長)の第3分団が優勝し、10月19日に富山県で行われる第26回「全国消防操法大会」への出場を決めた。同分団は2年前に行われた第29回県消防操法大会でも優勝しており連覇を達成。今年はポンプ車の部で県から全国への出場枠があることから、県代表として全国制覇を目指す。出場メンバーは指揮者・堀口豊さん(35)、1番員・神田賢人さん(27)、2番員・高橋裕矢さん(35)、3番員・椎橋義昭さん(32)、4番員・猪俣浩慎さん(40)、補助員・小森弘喜さん(29)の6人。このほど和田団長と3分団の齊藤大吾分団長、出場員代表者らが日高市役所を訪ね、谷ケ﨑照雄市長に成績を報告した。

 隔年で実施されている消防操法大会は、消防団に配備されている消防用機械器具の取り扱いや操作の基本動作など火災発生時の対応を万全にすることを目的に、ポンプ車・小型ポンプ車の各部門で日頃の訓練の成果を競うもの。ポンプ車の部では、指揮者の号令のもと車両に搭載されたホースをつないで延ばし、火点となる的を倒すまでの時間や動作の正確性を審査する。

 3分団は6月の日高市消防団消防操法大会を2位で突破し、7月に行われた飯能・日高の代表が競う埼玉西部支部消防操法大会で優勝、西部支部代表として8月4日に行われた県大会へ出場した。

 県大会では、谷ケ﨑市長、和田団長ら関係者が見守る中、ポンプ車の部の出場14隊の一番手として登場し、「緊張したが、トップバッターとしていい操法を見せてやろう」と、士気旺盛、息の合った動作で正確・迅速な操法を披露し、見事に優勝を果たした。

 前回、平成10年以来18年ぶりの県大会優勝を果たしており、今回、連覇を達成。さらには、「消防団の甲子園」と呼ばれる念願の全国大会出場権を獲得し、出場メンバーは応援に駆けつけた団員の祝福を受け、共に喜びを分かち合った。

 3分団は、猿田・鹿山・上鹿山(一部)・中鹿山・下鹿山・原宿・新堀新田・旭ヶ丘(一部)・南平沢(一部)・猿田上野台・高麗川1~3丁目を管轄。齊藤分団長のもと総勢25人が地域の防火・防災に取り組んでいる。

 操法大会出場メンバーは、県大会前には週3~4回、夜間に飯能日高消防署に集まり訓練を重ねてきた。指揮者の堀口さんは「熱心に指導して下さる先輩たちや、身近なライバルとして切磋琢磨する他の分団など、多くの人々のおかげ。伝統と歴史ある日高市消防団が皆で勝ち取った全国大会だと感じている」と周囲に感謝し、全国に向け「出るからには優勝を目指したい」と意気込みを語る。

 和田団長は「操法大会は出場者それぞれに評価が下されるので、全員が力を発揮しなければ好成績は望めない。3分団は常日頃からレベルの高い訓練を積んでおり、まさにチームワークの結晶。全国に行ける機会は少ないので、このチャンスを生かして活躍して欲しい」と激励。

 報告を受けた谷ケ﨑市長は「県大会は前回に続いて連覇ということになり、本当にめでたい。日高市消防団は素晴らしい操法技術を持っており、市としても誇りに思っている。全国では精鋭が揃うと思うが、団を挙げて応援し、ぜひ上位を目指して頑張って頂きたい」と健闘を祈った。