西川材の「はしらベンチ」 乾燥中の住宅用木材使用

東飯能駅通路に設置された「はしらベンチ」

 家の構造材に使う西川材を、そのまま一時的に活用した「はしらベンチ」が今夏、東飯能駅連絡通路など市内各所に設置された。木の香り漂う座り易いベンチとして、市民に好評。

 普段、一般市民は木造住宅の構造材として使用される西川材に、見たり触ったりする機会はあまりない。この取り組みは、柱としてだけでなく、実際に土台、梁等に使用される材木を天然乾燥期間中に、そのままベンチとして使用し、市民にサイズ感、手触り、質感、香りを味わってもらい、木造住宅や西川材への親しみを醸成させる事が目的。NPO法人西川・森の広場(井上淳治代表理事)が提案し、市の森林づくり推進課が後押ししている新たな取り組み。

 同法人では、時代が求める良質な西川材を供給し、西川の森と直接結ばれた家づくりをサポートし地域の財産・西川の森を守るため、セミナーや相談会の開催、木育講座、森林整備などを行っている。

 ベンチに使用する角材は、樹齢50~70年の地元産のスギ又はヒノキ材で、長さは3と4メートルの2種、130~150ミリ角。それを上下2段計6本に束ね、黒く塗ったヒノキ材の脚部を組み合わせた。座面の高さは35~40ミリ。乾燥期間6か月を目安として、約半年後、木の芳香が強い新たな西川材に取り換えていく予定。

 ベンチに使用した角材は、その後加工するため、多少の汚れや傷は問題ない。

 7月末現在、市役所別館、銀座通りBookmark、東吾野の雑貨&カフェKinoca前にそれぞれ1台、奥武蔵休暇村のロビーに2台、東飯能駅通路に3台が設置済み。今月中に、八幡町のメイプル通り歩道に2台、稲荷町のにこにこハウス前に1台設置する事が決まっており、同法人では、今年度30台設置する事を目標にしている。

 同法人は、大きな木の生命力のようなものを感じてもらい、街中で人が交流する場として役立てば、と期待を寄せている。