担架で次々に運び出される負傷者たち

担架で次々に運び出される負傷者役の参加者

 イベント会場で爆破テロ事件が発生したという想定で、負傷者の救護活動、観客の避難誘導、被疑者の拘束等のテロ対処訓練がこのほど、日高市山根の埼玉医科大学国際医療センターで実施された。官民一体となったテロ防止対策を推進している「うぐせみネットワーク」を構成する飯能署、埼玉西部消防局飯能日高消防署、埼玉医大国際医療センターのほか、災害派遣医療チーム(DMAT)が参加。実践的な訓練を通じて、関係機関同士の連携体制の強化を図った。

 訓練は、猛暑日のため当初予定していた屋外での訓練は危険と判断し、イベント会場に車両が突入するテロ事件という想定から、イベント会場に観客として紛れ込んだテロリストが公演中に爆発物を爆破し、会場内で暴れているとの内容に変更してスタート。

 「イベントホールで公演中に爆発物が爆発し、テロリストが暴れて負傷者が40人ほどいる」という通報から始まり、負傷者役の参加者の迫真の演技により会場内に緊張が張り詰めた。

 警察車両が到着し、暴れているテロリストの身柄を拘束、爆発物処理班に扮した警察官が、安全防護服に身を固め、爆発物を速やかに処理した。その後、救急隊員やDMAT(ディーマット)と呼ばれる地震などの大規模災害現場で活動できるように専門的な訓練を受けた医師らで構成された災害派遣医療チームがトリアージや応急処置・救命措置などを行った。

 飯能署の平山茂警備課長は「テロ対策・対処への訓練はこれからも継続していく。現場では、消防、警察、医療とそれぞれ担う役割が違うため、互いが最も必要としている情報を素早く共有できるようにこれからも連携を強化していく必要がある」と、コメントした。

うぐせみネットワークは、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会などの大規模な国際スポーツ大会や国際会議を見据え、平成27年12月に飯能署、飯能市役所、日高市役所、飯能日高消防署をはじめ管内の事業所や団体など17組織が構成員となり発足。両市の鳥として指定されているウグイス(飯能)、カワセミ(日高)を合わせ鳥のように広い視野で地域を見守るために「うぐせみ」と名付けた。

 今年度、新たに国際医療センターを含む5組織が同ネットワークに加入し、計22組織がテロの未然防止に関する情報の発信と共有、警察への不審情報の通報・連絡の実施、テロ発生時の対処体制の整備、広報啓発活動などに取り組み「テロを許さない街づくり」を目指している。