清水社長(右端)の手ほどきを受けながら茶摘みを体験する高校生

清水社長(右端)の手ほどきを受けながら茶摘みを体験する高校生

 新茶の季節を迎え、日高市高萩の狭山茶専門店「備前屋」(清水敬一郎社長)の茶園で行われた茶摘みに県立日高高校(同市旭ヶ丘、松本明校長)の生徒と教諭が参加し、手作業で茶摘みを体験した。同店は、品種ごとの特色や旨みを引き出した茶の製造販売を行っており、自家栽培の手摘み専用茶園「野木園」で収穫した茶葉は、ほどよく天日に干して香気を引き出す「萎凋(いちょう)」と呼ばれる工程を経て上級茶に仕上げている。

 今年は冬の厳しい寒さから一転、春の訪れが早く、茶葉の新芽が順調に成長、収穫時期も大幅に早まった。備前屋の手摘み茶園では昨年より10日早い4月21日に茶摘みを開始し、5月の大型連休にかけて緑茶の代表品種として知られる「やぶきた」をはじめ、埼玉品種の「ゆめわかば」「ふくみどり」を収穫した。

 今月2日には日高高校が推奨するボランティア活動の一環として、3年生の小山田輝海さん、上田一斗さん、田口もえさん、1年生の森恵大さんの生徒4人と松本校長を含む教諭4人が茶摘み体験に訪れ、同店の摘み子と一緒に約半日にわたり手摘み作業を行った。

 「茶の枝を片手で掴み、下の隠れた部分から上へ向かって新芽を摘んでいくと、摘み残しがない」など、実演を交えて高校生たちに手摘みの方法をアドバイスした清水社長は「今年は収穫時期が早まり、成長具合も良好と、我々にとっては嬉しい限り。高校生の皆さんには丁寧に茶葉を摘んでもらった。これを機会に、ぜひ地元産のお茶に関心を持ってもらえたら」と笑顔を見せた。

 生徒たちは日頃、ペットボトルの緑茶は良く飲んでいるが、急須で茶を入れて飲む事はほとんどないという。収穫体験を終え、「日高がお茶の産地ということは知っていたが、実際に茶畑に入って摘んだのは初めて。こうやって摘んだ葉がお茶になると思うと、興味が湧く」「急須で入れたお茶は祖母の家に行った時にしか飲んだ事が無かった。家でもやってみたい」などと感想を話した。

 同店は茶問屋として明治初年創業。高品質な狭山茶の追求と急須で茶を入れる文化の継承を目指し、品種ごとの特色を引き出す研究を続けており、特に、摘み取った茶葉を広げて天日に干し、日差しや時間を調整しながら最も良い香りを引き出す萎凋工程は特徴的。

 「茶葉は紫外線や乾燥、高温などの強いストレスにさらされると、自己防衛のため強い香気を放つ。この香気を萎凋香と呼び、豊かな風味を感じられる」と、萎凋工程を経て丁寧に仕上げた上級茶は、口の中に広がる香りと余韻の残る深い味わいを持つ自信作だ。

 手摘み茶葉を使った新茶は「富貴昔(ふきむかし)」

 100グラム3000円、「松籟(しょうらい)」100グラム2500円、「清水昔」100グラム2000円(いずれも税別)で販売中。問い合わせは、備前屋989・2001へ。