ウッドデッキ建設が予定されている中流域左岸を臨む

ウッドデッキ建設が予定されている中流域左岸を臨む

 第7回「飯能河原利用調整協議会」(吉田行男会長)がこのほど、飯能市役所内で開かれ、飯能河原など市内を流れる入間川岸に整備される遊歩道のルートが、今年度から始まる測量、詳細設計等を前に確認された。同協議会に寄せられた意見や同会での議論も踏まえ、工法等が最終決定され、水量が減る11月頃着工が計画されている。整備年度は平成32年度まで。整備対象範囲は、同市大河原と永田にまたがる吾妻峡から、西武池袋線南口から徒歩約6分で同市稲荷町から同市矢颪を結ぶ矢久橋付近までの全長約2キロの入間川。これを3つのエリアに分け、遊歩道を中心に、癒しと水に親しむ水辺空間を創出する。

 同協議会の役割は、都市及び地域の再生などに資するため、川の再生に取り組む「川の国埼玉はつらつプロジェクト」と、河川敷での営業活動などを協議する「水辺空間とことん活用プロジェクト」の2つの事業について審議し決定する事。2つとも県の事業。

 遊歩道のルートについては、昨年度の第6回協議会までにおおよそ議論が尽くされ、この日の協議会では、ルート最終案が事務局から示され了承された。

 遊歩道の整備計画では、吾妻峡の中平河原への進入路から飯能河原上流側堰までを「上流エリア」、それに続く中流域を「飯能河原エリア」、割岩橋から矢久橋までを「下流エリア」と、3つの地域に区分し、それぞれの特性を活かした3つの工区として進める。

 上流は、自然のままを維持し、寛いで散策できる遊歩道を整備し、中流の飯能河原は、各種イベントの開催など利活用を図りながら水辺に親しむ地域に、割岩橋から矢久橋に至る下流域は、トラスト地にも指定されている景観の良さに重点を置いたエリアと定義し、3地区を遊歩道でつなぐ。

 決定した遊歩道ルートは、まず上流部は、吾妻峡の中平河原への進入口から河原に下り、右岸を数十メートル下り、飛び石橋(ドレミファ橋のような橋)で左岸側に渡り、整備中の飯能大河原線の橋りょうをくぐり、左岸側を浄水場付近まで歩き、そこから飛び石橋を使って右岸に渡り、築造工事される遊歩道を岩根橋手前まで歩き、斜めに建設される飛び石橋を使って岩根橋の左岸に渡る。そこから100メートルくらい下流で飛び石橋を使って右岸に戻り、中流域の飯能河原に抜ける。

 続く飯能河原の中流域は、「リバランタ~ベジQ飯能~」がある堰で左岸に渡り、飯能河原のほぼ中央部に建設される流れ橋を渡って右岸側へ。

 流れ橋は、上部構造物等を洪水時などにあえて流れやすく作る事で、上流から押し寄せる流木等が橋に引っかかる事などを防ぎ、大きな災害が発生しないように建設された橋。また、親水機能のある遊歩道の一部を形成する事から川面からの距離も考慮された。8月の増水時の最高水位を考慮しながら川底からの高さは2メートル以内、幅は車イスでも安全に通行できるように、現行の1・2メートルから1・5メートルに拡幅する。流れ橋を渡って右岸を散策し、坂を上って割岩橋の右岸側袂から、眼下に広がる飯能河原全景を楽しみながら割岩橋を渡り切り、階段で左岸の河原に降り下流エリアに達する。

 左岸の砂州をしばらく下り、飛び石橋で右岸に戻り、右岸の遊歩道を下流に歩き、最後に再び飛び石橋を渡って左岸を歩き矢久橋に達する。

 遊歩道の幅は、二人並んで歩ける1・5メートル。基本的に砂州を遊歩道とする計画で、できるだけ自然に手を加えない。歩行に適さないため遊歩道を設置する所は、上流部の左岸と右岸に各1か所、遊歩道の最後に当たる下流部に1か所の計3所。飛び石橋6本と、流れ橋1本を設置する。

 遊歩道の護岸の工法は、盛り土をした緩傾斜に、景観に整合したブロックを使用する案や、自然石を使用した玉石張工法が有力。

 飛び石橋は、石間50センチ、水嵩の高い8月の平均水位などを考慮し、川底からの高さ70センチ以下。流れ橋は、転落防止のため、橋げたの端部を嵩上げした構造にする。また、下流エリアの矢久橋付近、川の半ばにできた中洲は堆積が進めば治水上影響が出るため除去する。

 今年度、測量、詳細設計などを経て、工法なども最終決定されるが、現在問題点や要望が、いくつか出されている。飯能河原の流れ橋手前の左岸に休憩スペースとして、ウッドデッキを建設する計画だが、ここには、地元住民が植えたオオシマザクラが3本あり、飯能河原に観光客を誘引するにも有効と考えられるため、ウッドデッキ設置で木が切られることを懸念する委員が多く、材質への要望もあり、今後検討される。

 その他、提案としては、飛び石橋を、京都の鴨川のように観光資源化するため、飛び石の形状を工夫してほしいという要望や、トラスト地に指定されている下流域の自然環境保全のために、入場を制限するなどの措置や工夫が行えないものか、という提案等が出された。

 今年度は、調査、測量、詳細設計が行われる中で、これら要望や提案が議論され、水量が少なくなる11月ごろ、3つの工区に分けて遊歩道等の建設に着手される予定で、平成32年度までの完成を目指している。

 さらに協議会では、「水辺空間とことん活用プロジェクト」に伴い河川敷で営業活動を行っている2つの施設使用者から、29年度の事業報告と30年度の事業計画の説明も行われた。

 飯能河原ステージ広場を活用している奥むさし飯能観光協会は、昨年度貸し出し事業も含めて10の事業を実施。入場者数1万3250人、収入総額19万7500円、支出総額4万5000円、差し引き総額15万2500円だった。30年度、これから計画されている主催事業は、第4回ちびっこ金魚すくい大会及び、飯能納涼花火大会(8月4日)、秋の飯能BEER FEST(9月15~17日と、22~24日)、飯能春まつり(平成31年3月下旬)。

 飯能河原上流部の堰付近では、これまでフィンテックグローバル社が施設使用者としてバーベキューのリバランタ事業を展開していたが、今年度からは、宮沢湖周辺でメッツァ事業を運営する関連会社のムーミン物語社が、施設使用者になる事が承認された。使用者の変更とともに、バーベキューの運営も農業ベンチャーの (株)アグリメディアとなり、名称も「リバランタ~ベジQ飯能~」に変わり、先月営業開始した。

 リバランタ事業の昨年度実績は、悪天候によりキャンセル人数の累計が1908人に達したこともあり、来場者数は1226人に留まり、売上142万8000円、経常利益マイナス338万4000円だった。

 今年度は、運営会社のアグリメディアが、収穫体験付きの新サービスの導入も検討中で、来場者6000人を目標に、11月4日まで土日祝日営業(夏季は毎日)を計画している。