川底の石に産み付けられた粟粒状のコクチバスの卵(平成24年、浄化センター脇の成木川で撮影)

川底の石に産み付けられた粟粒状のコクチバスの卵(平成24年、浄化センター脇の成木川で撮影)

 入間漁業協同組合(古島照夫組合長)は、5月中にも外来生物法により「特定外来生物」に指定されているコクチバス(ブラックバスの一種)などの産卵床駆除事業に乗り出す。事業実施河川は、入間川とその支流の成木川。

 コクチバスは、北米原産のスズキ科の淡水魚。大きいものだと、体長は40センチを超える。仲間にオオクチバスがいるが、コクチバスはオオクチバスと比べて、その名称のとおり、口が小さいので見分けがつく。総称してブラックバスと呼ばれ、若者を中心に高い人気を誇るルアーフィッシングの対象魚だ。

 飯能地方では名栗湖、入間川、成木川のほか、同湖に注ぐ冷水域の有間川などでもコクチバスの生息が確認されている。

 上流の名栗湖に密放流されたものが流域に拡散したとも見られている。同湖では、湖畔で西川材振興を目的に活動する認定NPO法人名栗カヌー工房が、県の採捕許可のもと、刺し網などを使ってブラックバスなどの駆除を続け、実績を上げているが、湖内での再生産に歯止めをかけるまでには至っていない。

 全国内水面漁業協同組合連合会(東京都港区赤坂)が発行する「害魚ブラックバス駆除実践ハンドブック」(平成19年3月発行)によると、コクチバスの産卵期は4月から7月。水温が約15度に上昇した後に岸際の浅場の砂礫に粟粒のような卵を産み付けるという。実際、入間漁協の組合員が入間川などでコクチバスの産卵床を発見するのはこの時期だ。

 産卵床は、陸上からも目視可能。産卵床は円状で、きれいに掃除され、周囲の河床と比べて明るい色をしているので発見しやすい。オスが産卵床を作り、そこにメスがやってきて産卵行動をする。

 産卵後、オスは産卵床を守る習性があるので、浅場の1か所に親魚が定位し、近くに綺麗な川底があったら、産卵床という。

 入間漁協が実践する産卵床駆除は、まず事前に河川を歩いて産卵した跡があるかどうかを確認する。発見した場合は、その産卵床全体を予め用意するか、現地調達した砂で覆い、酸素供給を絶って卵を死滅させる。

 昨年は、この方法で入間川の加治橋前後、飯能大橋下流の元福島釣り堀前などで実施、複数の産卵床を潰した。

 入間川で最初にコクチバスの産卵が確認された時期は、いつなのか不明だが、成木川については平成24年が最初。浄化センター南側の浅瀬で産卵しているのを、魚釣りに詳しい市民が見つけ、入間漁協に通報した。産卵床はその日のうちに組合員が破壊し、卵を守っていた親魚も採捕した。

 この時の産卵床の大きさは直径60センチほどで、体長約30センチの親魚が外敵の侵入を阻止するように守っていた。卵は透き通った黄色をした直径1・5ミリほどで、付着していた苔などが綺麗に落された砂礫に産み付けられていた。

 入間漁協の平沼啓祐副組合長(76)は「コクチバスは1回の産卵で2000粒の卵を産むので、駆除方法としては、産卵床を潰すのが一番効果がある」と話し、これから行う駆除活動に期待をかける。ただ、産卵床の発見は、既に一帯で相当数のバスが再生産していると考えられることから、痛し痒し。

 コクチバスは平成2年頃に、長野県や福島県で発見されたのが国内で最初。河川での適応能力が高いことから、その後、急速に分布を拡大し、漁業資源等に影響を及ぼしているという。

 入間川などでブラックバスのものと思われる産卵床を見つけた場合は、入間漁協(973・2389)へ。