飯能市が、「ふるさと納税」を行った納税者への返礼品として用意している品物は361品目(平成29年12月31日末現在)。このうちの約47%は市内で生産されたか、販売されているいわゆる地場産品。が、それ以外の一部に飯能とは縁遠い物も散見される。総務省は、今月1日付けで全国の自治体に、返礼品は地場産に限定すると要請したが、市の対応は。  

 総務省が4月1日付けで全国自治体に通達した内容は、「地域資源を活用し、地域の活性化を図ることがふるさと納税の重要な役割でもあることを踏まえれば、返礼品を送付する場合であっても、地方団体の区域内で生産されたものや提供されるサービスとすることが適切であることから、良識ある対応をお願いします」(他に、返礼割合が高い返礼品送付の是正も求めている)というもの。  

 過熱する各自治体間の返礼品競争を巡って総務省が通達するのは、昨年4月に続いて2度目。いずれも、ふるさと納税制度の趣旨である地域活性に沿っていないなどの理由だ。九州の自治体が北海道の夕張メロンを送った例もあるという。  市賑わい創出課によると、市が用意している返礼品の品数は、昨年末現在で361個。内訳をみると、市内特産品関連170個、ムーミン・北欧関連93個、アニメヤマノススメ関連22個、友好交流都市関連76個。

 市内で生産されたか、販売されている品物が約47%と過半数近くを占めているが、返礼品は地場産に限るとした1日の総務省通達に従うと、全体のおよそ半数が制度趣旨に符号しない返礼品という扱いになる。  今回の通達を受け、今後市はどう対応をするのか。所管する市民生活部の大野充参事は、このことで「変更を迫られるということはありません」と、言い切る。

 現在の返礼品構成を変更しないとする理由として、同参事は地場産の定義について国が明確化していないことを挙げ、その上で、人気を集めるムーミン関連返礼品の根拠としているメッツァ事業は、市の地域創生事業であり、地域資源である点を主張する。

 また、横浜や墨田区といった友好交流都市で生産・販売されている商品を、飯能市の返礼品と定めていることについては、政策的な考えに基づくという。

 ただ、同参事はその一方でムーミン・北欧関連返礼品の区分の中で取り扱っている一部商品については、見直しの検討対象とする考えも示す。

 検討対象の返礼品は、北欧ということの関連性で、トーベ・ヤンソン氏の母国フィンランド以外の周辺国の商品であるサーモンやジャム、紅茶など。

 これら商品の生産国は、飯能市とは縁もなく、こうしたことから、同参事は「相手との契約の関係もありますが、機会があれば見直しをしたい」とする。

 平成28年度に7164件、金額にすると約1億6000万円だった飯能市のふるさと納税の寄付件数は、翌29年度には1万件を突破し、寄付金額も約2億5000万円に達している。

 市のふるさと納税は、ムーミン関連のグッズを返礼品に選定することで、全国のムーミンマニアの取り込みに成功し、飛躍的に実績を伸ばした。

 来春、宮沢湖にグランドオープンするメッツァへ北欧産の商品を販売する店舗が出店したと仮定すると、メッツァ・北欧関連の現行返礼品群に、これら新店舗の商品を市は堂々と追加可能となる。