博物館「きっとす」開館 フィン語の感謝から造語

テープカットを行う(左から)野田議長、大久保市長、友梨さん、理恵さん、内沼県議

 新生飯能市博物館「愛称名:きっとす(飯能市飯能、尾崎泰弘館長)」が、1日リニューアルオープンした。記念式典には、大久保勝市長、内沼博史県議、野田直人議長をはじめとする市議会議員ら来賓、愛称命名者の宇野理恵さん、友梨さん親子等およそ100人が出席。テープカットが行われた後、小田原若狭流前田囃子保存会がお祝いの囃子を奏でる中、早速一般公開が始まり、同館北側に隣接する中央公園で開かれている「飯能春まつり」の花見客なども次々同館を訪れ、大勢の市民でにぎわった。

 「きっとす」は、従来の郷土館に自然博物館としての機能が加わり、明治以降を中心に歴史展示の充実も図られた。都市回廊空間の中核施設としてのビジターセンター機能も期待されている。

 愛称募集は、昨年12月から今年2月にかけ、市民に親しまれる名称として一般公募され、個人・団体から寄せられた750件の中から、宇野さん親子の応募作品が選ばれた。

 きっとすの意味は、ムーミン童話の作者トーベ・ヤンソンの故国フィンランドの言葉で、「ありがとう」を意味する「kiitos(キートス)」をベースに、飯能の自然・歴史及び来館者への感謝を表現した造語。「木とすむ」「木の文化を未来・子どもにトスする(つなげる)」と言う意味も込められているという。西川材を連想させ、森林文化都市・飯能の博物館にもふさわしいと評価された。

 記念式典は午前11時開会。式典で挨拶に立った大久保市長は、「今年は、サクラ満開の一年になるが、メッツァばかりでなく、博物館のリニューアルオープンがまず第一歩。丸広さんの2回にわたる寄付が、博物館の礎につながっている。ビジターセンターをしっかり念頭に置いた博物館の事業展開が、市の課題。この博物館、市民会館、図書館の3館が一つとなり、市の地域創生の出発が今日となりました」などと語った。

 来賓として野田議長は、「加治東小学校新1年生の友梨さん、お母さんの宇野理恵さんに『きっとす』という素晴らしい愛称を付けて頂き感謝します」と、命名者の宇野親子ら関係者を労った。

 さらに、内沼県議は、「ビジターセンター機能を有した博物館を立ち上げる事は、これからの飯能市の観光にとって本当に素晴らしい事」と祝いを述べた。

 宇野さん親子には表彰状と、きっとすの愛称名が入った西川材を使用した時計が送られた。

 感謝状などが贈られた友梨さんは、「うれしかった」とはにかみながらも笑顔で喜んだ。理恵さんは、「2人で意見を出し合いながら考ましたが、まさか当選すると思わなかったので、2週間前に当選通知を受け取り、大変光栄に思っています」と喜びを語った。

 オープン記念として、常設展示のほかに写真展「春を告げるものたち」が5月27日まで開催されている。

 開館時間は午前9時から午後5時。休館日は毎週月曜日と、祝祭日の翌日。

 入場は原則無料。

 西武池袋線飯能駅から徒歩15分。バス利用の場合、同駅北口から、国際興業バス、「西武飯能日高方面行き」や「名栗方面行き」に乗り、「天覧山下」停留所下車徒歩2分。

 問い合わせは同館972・1414。