左から大島さん、丸山さん、木のおもちゃを抱える千里さんと翔くん、大久保市長

左から大島さん、丸山さん、木のおもちゃを抱える千里さんと翔くん、大久保市長

 障害のある人たちが一つひとつ丹精込めて製作した安全な「木のおもちゃ」がこのほど、飯能市阿須の林業センターで、飯能、日高、毛呂山、越生の2市2町地域の25の幼稚園に贈呈された。2市2町、西川広域森林組合、(協)西川地域木質資源活用センター、西川地区木材業組合で構成される西川地域林業対策協議会(会長・大久保勝飯能市長)が、西川材の利用促進と木育を目的に企画したもので、昨年は35の保育園に贈呈されている。

 贈呈された木のおもちゃは、西川材産出地域のスギで作られた長さ13センチ、厚さ1センチ、幅3センチの積み木で、150ピースで1セット。

 市内の(株)フォレスト西川が材料の西川材を提供し、飯能市芦苅場にある(社福)おぶすま福祉会飯能事業所(坂本稔理事長)の施設利用者が心を込めて作った。

 同事業所は、心身に障害のある人が通う就労継続支援B型施設。西川材を使用した木工製品作りを中心に、生活訓練、作業訓練などを行っている。作り出す製品は「OBUSUMA」家具のブランド名で広く知られるようになり、一般企業への就労者も輩出している。

 現代家具作家の髙村徹さんや、デザイナーの河東梨香さんなどとも連携しながら、温もりのある机、イス、キューブボックスなどを製作し、2015年、日本ウッドデザイン賞(ソーシャルデザイン部門 木製品)を受賞している。

 材料のスギは、木目の美しさだけでなく、柔らかく繊維中に空気を多く含むため夏は涼しく冬は暖かく感じられ、施設利用者も落ち着いて集中力を持って作業に取り組めるという。

 OBUSUMA製品は、やすりによる徹底した磨き工程が施され、角がない滑らかで優しい仕上がりで知られ、子ども達が安全に遊ぶのに適したおもちゃ作りができる。

 同事業所には、作業に一心不乱に取り組む“磨きのプロ”が多く、昼食の合図も聞き逃してしまうほど集中して作業に取り組む人もいるという。

 挨拶に立った大久保市長は、「おぶすま福祉会の人たちが、紙やすりで一つひとつ心を込めて丁寧に作った素晴らしいものです。園児たち子どもたちに、少しでも小さいうちから木に親しんでほしい」などと語った。

 園児を代表して、同センターに近い同市岩沢の白鳥幼稚園(石間戸宗明理事長)園児の古見千里さん(5)と、染谷翔くん(5)に、大久保市長から木のおもちゃセットが手渡された。

 また、式典には、OBUSUMAを代表して、木のおもちゃ作りに携わった丸山敦美さんと、大島清美さんも出席。2人は磨きに対する思い入れが特に強く、自分たちが作ったおもちゃで遊ぶ子どもたちを見たい、と出席を希望したという。

 関係者らに促されて、木のおもちゃで遊ぶ千里さんや翔くんに、「痛くない?」などとしきりに声掛けしていた。

 また、西川材の木製品作りが体験できる「きまま工房 木楽里(同市井上)」代表の井上淳治さんによる「木の魅力伝えます」をテーマにした木育講演会も開かれ、各幼稚園の代表ら出席者が熱心に耳を傾けていた。