山間地区の地区行政センターで館利用者らに配布されているパンフ

山間地区の地区行政センターで館利用者らに配布されているパンフ

 飯能市農林課は、サルによる農作物被害を解消するため、サルの生態や行動を知り、諸対策をまとめたパンフレット「サル被害防止のためのワンポイント・アドバイス」を作成、山間の地区行政センターなどに置いて、住民に周知を図っている。

 既存の県発行パンフをベースに、市が手を加えて新たに作成したもので、サイズはA5判4ページ。製作部数は200部。

 サル被害が深刻な山間5地区の吾野、東吾野、名栗、原市場、南高麗地区行政センターと、市街地と山地部の結節点地区にある二区行政センターの合わせて6か所に置かれている。

 パンフ表紙には、サル被害防止のためのワンポイント・アドバイスとして、「エサになるものを野外に放置しない」「地域ぐるみでの追い払い」「サルの習性を考えて柵の設置」の3点が目立つ太文字で記され、人里に下りて来たサルを金物を叩いてチームで追い払うイラストも描かれている。内容は次の通り。

 【サルを知る】

 ニホンザルは、学習能力が極めて高い動物です。どんなときに何をすれば農作物を守れるのかを知るために、まず知恵比べの相手であるサルのことを知っておくことが大切です。人間の知恵に、サルは到底及びません。対策が的確ならサルの被害は必ず防げます。

 <食性>

 雑食性で、植物の果実、種子、葉、芽のほか、昆虫なども食べる。栄養価や消化率が高く効率的に食べられる食物、カキ、カボチャ、スイカ、トウモロコシ、クリ、モモなど甘くて栄養価の高いものを好む。エサとなる食物は、遺伝的に決まっているわけではなく、生後に学習する。

 学習によって多くの農作物(イネ、マメ類、イモ類、ネギ、キュウリ、ナス、ダイコン、トマト、イチゴなど)の味を覚えていくため、被害対象作物が広がっていく。

 <行動>

 活動時間は通常、日の出から日没までの明るい時間だけ、夜間は行動しない。サルの群れは、メスとその子を中心に構成され、10数頭~100頭。オスは成熟すると群れから離れ、別の群れに入ったり、離れザルとして生活する。高い学習能力を持ち、集落内の食べられるものを少しずつ覚える。木登りとジャンプが得意。

 <繁殖>

 交尾期は年1回で秋、出産期は春。栄養状態が良いと毎年出産(通常は2~3年に1頭)。条件の良い環境での寿命は約28歳。

 <特性>

 視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚は人間とほぼ同じ。新しいものや状況、場所を警戒するが、いったん慣れると大胆不敵。群れで行動し、行動範囲は定まっているので、特定の場所で発生する被害は加害群を特定することができる。ただし、離れザルが引き起こす被害はこの限りではない。

 【サルの害に強い集落づくりが基本】

 人里をサルのエサ場にしないために、放置果樹、廃棄農作物などの誘因を除去すること。また、集落・農地周りの藪の刈り払いなどの環境整備は必須です。

 <追い払いとは>

 追い払いとは、農地や集落に出没し被害をもたらすサルに対して、人がさまざまな手段を用いて、農地や集落の外に追い出すこと。さらに、奥山に定住させ、集落に出てこなくても生きていけるサルに戻すことを「追い上げ」と言う。追い払いは、サルの弱みを上手に使って追い払うことが基本。

 <追い払いのポイント>

 ▽出没したら必ず追い払う=サルに、農地は危険な場所だと学習させるために、出没したら必ず追い払いを行うことが重要。そのために、集落の誰にもできる追い払い方法を選択することが、まず第一歩。

 ▽一匹でも手を抜かない=離れザルを見誤ると、被害を大きくすることがあるので重々注意が必要。一匹だと被害も少ないため見逃したり、被害を受けているのに逆に「一匹でかわいそう」とつい、甘やかしがちになる。実は、これが人を怖がらない、農作物の味を覚えたサルを生み出すことにつながる。しっかりと追い払うことが必須。

 ▽追い払いはチームで=サルの数が多い場合、1~2チームでは追い払いが難しいため、犬などを使うなど、なるべく集落全体で協力してチームで追い払いを実施することが必要。また、日の出から日没まで活動するサルに対して、効率的に追い払うことが被害を少なくするのに有効。