津波被害に遭った東禅寺の鐘を鳴らし、手を合わせる親子

津波被害に遭った東禅寺の鐘を鳴らし、手を合わせる親子

 飯能から被災地に元気を届けようと、東日本大震災の翌年から始まり、今年で7回目を迎えた「震災復興元気市」が11日、飯能市の中央公園を主会場に開催され、東北地方の海産物をはじめ、飯能周辺のご当地グルメや物産販売、ステージ発表などが行われ、大勢の来場者で賑わった。会場内には震災で津波被害に遭った宮城県名取市閖上(ゆりあげ)の東禅寺が所有している梵鐘が設置され、来場者が犠牲者の冥福を祈って供養の鐘を鳴らし、震災発生時刻の午後2時46分には関係者、来場者が黙祷を捧げた。

 市民会館前庭に設置された東禅寺の梵鐘は、損壊した本堂とともに津波に流され、3か月後にがれきの中から見つかった。東禅寺の三宅俊乗住職と大学の同級生だった法光寺(飯能市坂石町分)の大野文敬住職(58)が現地に駆けつけ、大梵鐘と旧梵鐘、伝鐘の3つの鐘を預かった。以降、法光寺の境内に仮設鐘楼を作って参拝者が自由につけるようにし、毎年、元気市会場で供養の鐘を鳴らし続けてきた。

 東禅寺は昨年末に本堂の再建を果たし、大梵鐘と伝鐘の2つは今回の元気市を最後に、6月頃に同寺に返還されることに。ただ、旧梵鐘については東禅寺住職の「飯能の人々について欲しい」との意向もあって法光寺に残す予定だ。

 震災から丸7年を迎え、会場で供養を行った大野住職は「東禅寺の本堂が再建され、ようやくお返しできる目途が立った。被災地ではその後、震災関連死で亡くなった方も多く、7年経った今も多くの方が苦労されている。残して頂く梵鐘については、震災を忘れないように、との思いを込め、引き続き当寺でいつでもつけるようにしたい」。

 夫婦で順番に鐘をつき、手を合わせた飯能市中藤中郷の大野弘さん(70)は「元気市には毎年訪れているが、東北の物産品がたくさん並び、名前の通り活気がある。東禅寺が再建されたと聞き、飯能市民としても嬉しく思う。改めて犠牲になった人々の冥福を祈りたい」と話した。

 会場には福島、宮城、岩手、茨城、新潟、長野、熊本から商工会議所や商店、団体などが出店し、ホタテやウニ、干物、カマボコなどの海産物が飛ぶように売れたほか、飯能・日高や西武鉄道沿線、県内のご当地グルメなどが人気を集めた。

 市民会館大ホールではチャリティよさこいが威勢の良い演舞を披露し、小ホールではチャリティーコンサートを開催。市民会館西側駐車場では「防災・安全を考える」をテーマに航空自衛隊、警察、消防による車両展示が行われた。また、野外ステージでは市民グループの元気な発表や子どもたちに人気のマスコットキャラクターが登場し、会場を盛り上げた。

 元気市実行委員会の金子堅造実行委員長は「今年も大勢の方に参加頂き、心を寄せて頂いた」と感謝し、「震災を忘れず、東北も飯能も元気になれば、との気持ちでこれからも続けていきたい」と話している。