日高市とアスクルが災害協定 市内に「ロハコ」物流拠点

災害協定を締結した谷ケ﨑市長(左)と岩田社長(右)

 日高市は12日、事務用品大手で市内にインターネット通信販売の物流拠点を構えるアスクル株式会社(東京都江東区、岩田彰一郎社長)と「災害時の食糧等の提供に関する協定」を締結した。災害発生時に、同社が取り扱う在庫品の中から食糧や衣類など生活必需品を市民に提供するもの。日高市役所で行われた締結式には、谷ケ﨑照雄市長、金子昭副市長、アスクルの岩田社長、川村勝宏テクノロジーセンター本部長、小口巌総務本部長をはじめ多数の関係者が出席した。

 アスクルは、昨年2月に起きた三芳町の倉庫火災で焼失した物流倉庫の代わりに、同市上鹿山にある賃貸型物流倉庫GLPの1~3階までの賃貸借契約を結び、一般消費者向けインターネット通販「LOHACO(ロハコ)」専用の物流拠点として「ASUKUL Value Center(アスクルバリューセンター)日高」(AVC日高)を新設した。

 同施設には、物流拠点として生活必需品など5万点の在庫があり、今回締結された災害協定に則って、有事の際は必要な全ての物資を市民へ提供。建物は、免震構造で災害が起きても業務が中断されないよう配慮され、物流倉庫ならではの物資を効率的に提供する機能も有しているため、災害時にも迅速な提供が可能という。

 協定締結に際し谷ケ﨑市長は「今回の災害協定で、保有している生活必需品を市民のために提供していただけることはとても心強い。災害に強いまちづくりを市民も望んでいる」と挨拶。

 岩田社長は昨年の三芳町での物流倉庫火災に触れ、「施設の設備に加え、大規模防災訓練を行い、万全を期している。日高市の地域の人と共生できる企業を目指し、少しでも恩返しになれば」と述べた。