新館増築、既存館リニューアル 休暇村奥武蔵

新館のイメージ画像。里山の風景を望む全室バルコニー付きの客室を擁した客室棟を増築予定

 飯能市吾野の「休暇村奥武蔵」(合田忠功支配人)が、新館を増築し、既存館をリニューアルする。いずれも一部に地元産の西川材を使用する予定という。増築・リニューアルに伴い、平成30年1月10日から工事休館に入る。休館期間は4月下旬まで、増築棟は7月頃オープン予定。また、職員寮も建設するとしている。

 新館は、「里山の宿 自然にときめくリゾート」をコンセプトに、里山の風景を望む全室バルコニー付きの客室を擁した客室棟を増築する予定。西川材を使用した新館は、1階はハンモックなどを設置して外で過ごす時間に重点を置いた部屋を。2~4階は、階ごとにテーマの異なるデザインの部屋を用意することを検討している。8月に地鎮祭を執り行い、現在は基礎工事が進んでいる。

 既存の建物については、1月10日から全館完全休館に入り、リニューアルオープンに向け、主にレストラン、厨房、大浴場の3点の改装を行う。大浴場については、露天風呂に西川材のヒノキを使用した「ヒノキ風呂」を設置するという。

 増築・リニューアルについて、地元関係者たちから「ぜひ西川材の利用を」との声があり、今年6月には、飯能市議会の加藤由貴夫議員、平沼弘議員、林業関係者として小峰材木店の小峰康夫氏、森田建設緑化の森田美明氏、飯能市役所産業環境部の久保寿夫部長の5人が台東区にある一般社団法人休暇村協会を訪問。同協会の中島都志明理事長、休暇村奥武蔵の合田支配人ら4人が対応した。

 懇談では、中島理事長が「当初から宿泊施設としては小規模だと考えていたが、これまでの実績などから増築することを決定し、運営体制も整えるため職員寮も建設することにした」と増築・リニューアルの経緯を説明。

 また、西川材の利用については、「吾野の地に開設した時から、西川材のことは聞いていたが、今回の増築などでは、地元とのつながりを大切にしたいということもあり、ぜひ地元産の木材である西川材を使いたいと考えている。また、休暇村奥武蔵の中に、西川材に関して紹介出来るようなエリアを設けることも考えている。ぜひ飯能市にも協力頂きたい」と述べた。

 これを受けて森田氏は、「飯能市では木材需要の喚起、木材の販路拡大に向けて一生懸命取り組んでいるが、実際にはなかなか難しい部分もある。これまで、休暇村奥武蔵には雇用などの面でも地域振興に大変貢献を頂いている。今回、このような形で西川材を活用していきたいとのお話を伺って、私たち木材関係者としても大変ありがたいという思いで一杯。ご意向に沿えるよう、私たちも一生懸命ご協力させて頂きたい」と話した。

 休暇村奥武蔵は、平成25年7月、旧あじさい館跡地を利用してオープン。37ある休暇村の施設のほとんどが国営公園や国定公園などに立地しているが、同施設は里山の空間を生かし、都心に近い場所でありながら、豊かな自然に囲まれた施設として評判を呼んでいる。今年度、宿泊者が8万人を突破した。

 リニューアルオープンの日程や詳細が決まり次第、ホームページや会報誌で知らせるとしている。