県は、圏央道に近接した旧農業大学校跡地(鶴ヶ島市)と飯能・日高を含む鶴ヶ島ジャンクション周辺半径10キロ範囲に未来産業を集め、地域経済の成長を図るため、地域未来投資促進法に基づく基本計画を策定し、経済産業省に提出した。同計画の策定にあたっては、自民党県議団の「県西部地域未来産業集積推進懇話会」が県へ提言を行っており、同懇話会副会長を務める西8区(日高市)選出の小谷野五雄県議は、本紙に経過を報告し「県西部に未来都市を築くため未来産業の集積を提言していた。今回の基本計画策定は大きな一歩。経済発展と雇用創出へ、明るい展望が見えてきた」と期待している。

 県が経済産業省に提出したのは、情報技術を駆使して製造業の最大効率を追求する第4次産業革命「IoT」(インターネット・オブ・シングス)に対応する新たな法律として国が今年7月に施行した地域未来投資促進法に基づき策定した「県鶴ヶ島ジャンクション周辺地域基本計画」。

 鶴ヶ島ジャンクションを中心とする周辺13市町(飯能、日高、川越、東松山、狭山、入間、坂戸、鶴ヶ島、毛呂山、越生、川島、吉見、鳩山)を促進区域とし、交通の利便性など立地条件を生かし、IoTやビッグデータ・AI(人工知能)などの知見を活用した第4次産業革命関連分野、ロボット、航空・宇宙開発関連、輸送用機械器具製造業関連などの先端技術産業を集積させ、地域経済を活性化させるもの。

 県は産業用地の提供や情報通信インフラの環境整備、大学・研究機関等の知見活用などを支援し、新たな産業の創造や未来産業の企業誘致を行う。経済産業省から計画の同意を得た後、進出を希望する企業が地域経済けん引事業計画を策定し、県が承認する。企業は税の優遇措置などが受けられる。

 計画に関連し、情報通信技術など経済産業分野の地域課題の解決に連携して取り組むため、県は東洋大学情報連携学学術実用連携機構と協定を結んでいる。

 県農業大学校は平成27年に鶴ヶ島市から熊谷市へ移転し、県は、同大学跡地約40ヘクタールの活用推進を図るため、基盤整備をした上で経済効果の高い先端産業や次世代産業の誘致を計画していた。

 これを受け、自民党県議団の県西部地域未来産業集積推進懇話会は、農大跡地にとどまらず広範囲なエリアを視野に入れ、鶴ヶ島ジャンクションを中心とした半径10キロのエリアを「未来産業Hub(拠点)」と位置付け、県内初の国家戦略特区を目指し、未来産業を集積させるという案を提言。

 未来産業をはじめ次世代産業などの研究開発機能を備え、地域経済をけん引できる進出企業を募り、企業が規制にとらわれず自由に新しいサービスを試すことを認める日本版「レギュラトリー・サンドボックス」制度をエリア内に適用するなどを提示している。

 県の基本計画策定を受け、同懇話会副会長を務める小谷野県議は「企業誘致をしたくても、企業が希望する土地を短期間で用意できなければ他の場所へ行ってしまう。恵まれた立地条件にありながら、これまではなかなか生かすことのできない状況にあった。国の支援策と連動して県西部地域に未来産業を集めることができれば、地域経済の発展はもとより、幅広い世代の雇用創出につながる」と話している。