フィ社と飯能市覚書締結へ メッツァへの支出可決で

 フィンテックグローバル株式会社(フィ社、東京、玉井信光社長)は11日、飯能市と「メッツァ事業の費用負担に係る覚書」を、今月中に締結する予定であることを発表した。

 平成30年秋に開業予定の「メッツァビレッジ」の施設整備費用の一部1億5000万円を、飯能市が負担することに関して、フィ社取締役会が決議したもの。

 また、31年春にグランドオープン予定の「ムーミンバレーパーク」の用地、施設等の不動産を保有するフィ社子会社の飯能地域資源利活用合同会社(地域SPC、飯能市仲町)の出資募集に市が応じ、市が地域SPCの営業利益の分配を受ける匿名組合員となる匿名組合契約を、地域SPCと今月中に結ぶことも予定されている。

 フィ社の発表によると、これまでの経緯は、メッツァ事業の推進にあたり、同施設の開設や市の観光振興に資する事項等で、市とフィ社は連携協力していく事を定めた「地方創生に関する基本協定」を締結している。同施設が開業予定の宮沢湖周辺は、市の重要な観光資源であるとともに、長年市民に愛されてきた憩いの場。ビレッジとバレーパークの用地には、フィ社や地域SPCが市から使用許可を受けている市の公有地も含まれる。ビレッジは、誰でも無料で利用できる公園的機能を持ち、市民の憩いの場としてさらに充実させるものであるため、フィ社が、ビレッジ開業に必要とする施設整備費の一部1億5000万円を、市が「メッツァ事業負担金」として支出する事をフィ社と合意。これを受けて、フィ社と市が覚書を締結する。

 また、バレーパークは29年7月、土地、建物等の原資産を証券化し、原資産所有者のフィ社から分離、倒産隔離した。その資産を地域社会の発展に貢献する「公共資産」として、地域SPCに譲渡。地域SPCの出資募集に、地域産業や観光の促進効果等に鑑み市が応じ、5000万円を出資。市は匿名組合員として、地域SPCがバレーパークの運営で上げる利益を出資に応じて分配を受ける。

 フィ社は、バレーパークを、永続的なコミュニティの形成を支援する取組として運用していく方針。

 市は、この合計2億円の支出を行うため、ふるさと納税「ムーミン基金」を取り崩し一般財源化。その追加支出を平成29年度一般会計補正予算案に、「メッツァ事業負担金」1億5000万円、「飯能地域資源利活用合同会社出資金」5000万円として盛り込み、市議会12月定例会に提案。多数決による採決の結果、賛成議員11人、反対議員7人で、8日の議会最終日に原案通り可決成立したばかり。

 フィ社は、ビレッジが地域産業の発展、雇用の促進、同市民をはじめとする様々な人の憩いの場として親しまれる施設となるように、メッツァ事業負担金を同施設の建設・整備の工事費用に充て、地方創生に貢献していくことを明らかにしている。

 また、地域SPCに出資された匿名組合出資金についても、バレーパークの建設・整備費用に充当するが、地域産業発展、雇用促進に貢献する施設にしていくと、フィ社は発表している。