国内初のシステム採用 割岩橋周辺のライトアップ

 飯能河原の魅力をさらに高めるなどの目的で、飯能市が今年度計画している割岩橋のライトアップ事業は、橋本体だけでなく、入間川両岸の樹木、遊歩道も特別な方法で浮かび上がらせる国内初のライトシステムを採用する方針であることが、分かった。

 4日行われた飯能市議会12月定例会(野田直人議長)の大津力議員(NEXTはんのう)の一般質問に、青田精一産業環境部観光推進担当部長が答えた。大津議員は、今後10年間の市のまちづくり指針「第5次総合振興計画」に位置付られた「都市回廊空間」の進捗と今後の展開などについて執行部の見解を質した。質問と答弁は次の通り。

 ▽大津議員=第5次総合振興計画は10年後の飯能市のビジョン。総合振興計画では10年後に向けて、どんな飯能市のまちづくりをしていくのかが示されているが、その中で私が一番重要と思っているのは都市回廊空間の形成。都市回廊空間とはどのようなものか。

 ▽鈴木弘智企画総務部長=第5次総合振興計画基本構想に位置付けた交流都市づくり戦略の一つであり、市内の観光スポットなど交流拠点と市内回遊を連携させ、観光客等の交流動線を確保しようとする考え方。中心市街地を囲むメッツァ、飯能河原・天覧山、あけぼの子どもの森公園などが回廊のようなイメージでつながる交流空間を示している。

 ▽大津議員=都市回廊空間形成は、第5次総合振興計画において消滅可能性都市から発展都市へ変わるための1丁目1番地の施策と思う。重要な都市回廊空間のパーツとしてメッツァ、あけぼの子どもの森公園、飯能河原が挙げられるが、メッツァ整備の進捗状況はどうなっている。

 ▽細田幸二地方創生統括監=7月3日の着工以降、土木、インフラ工事を中心に予定どおり工事が進んでいるとフィ社から報告を受けている。職員も適宜確認しており、市内事業者3社によるJV(共同企業体)のほか、多くの市内事業者が下請けとして参画している。現状でいけば、来秋のメッツァビレッジ開業、再来年のムーミンバレーパークのグランドオープンは確実なところと考える。

 メッツァの運営に関しては、マーケットやレストランの運営における物品調達や出店等については、現在事業者同士で個別に調整している。フィ社からの情報によると、既に調達等について合意を得た事業者も出てきており、その中には市内事業者も含まれている。雇用についても正社員、パート、アルバイトなどを含め、数百人規模の雇用が見込まれている。

 ▽大津議員=都市回廊空間のパーツ2つ目、あけぼの子どもの森公園の整備進捗状況は。

 ▽的板幹雄建設部参事=今年度の主な整備内容は、トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園への名称変更に伴い、公園への案内板標識をリニューアルする標識設置工事や阿須運動公園駐車場拡張工事、園路修繕工事、子ども劇場の天井剥離対策工事等を実施しており、案内板標識と駐車場拡張工事は完成している。建設中のギャラリーカフェ整備工事については基礎工事が完成した。今月中には建方まで実施して屋根まで設置予定。

 ▽大津議員=都市回廊空間の3つ目のパーツ、飯能河原の整備状況は。

 ▽青田精一産業環境部観光推進担当部長=割岩橋ライトアップと遊歩道整備を進めている。このうち、ライトアップ事業は、都市回廊空間の一つである飯能河原周辺の魅力を向上させるため、割岩橋本体だけでなく、左岸右岸の樹木や河原に下る遊歩道にも間接照明等を活用したライトアップを施し、割岩橋周辺の夜間景観にアクセントをつけ、ランドマーク的な効果による新たな集客、メッツァ来訪者の滞在時間の延長、周辺地域への経済的効果の波及等につなげていきたいと考えている。

 設計にあたっては、東京ディズニーランドや大阪のアベノハルカス等でライトアップやプロジェクション・マッピングの担当経験がある技術者に参画して頂き、現在、施工業者選定の準備を進めている。

 年度当初はライトアップとプロジェクション・マッピングとのコラボを考えていたが、専用装置の常設設置や橋への投影が技術的に難しいことなどの理由から、その代替として特別なライトシステムの設置を考えている。このシステムは日本での採用はまだなく、割岩橋に設置されると日本で唯一となり、まさにオンリーワンのライトアップとなる。