飯能市宮沢湖に再来年春グランドオープン(メッツァビレッジは来秋開園)予定のムーミンテーマパーク「メッツァ」。飯能市は、12月定例会に上程した「議案82号平成29年度飯能市一般会計補正予算」に、このメッツァプロジェクトに対して総額2億円を地方創生推進事業として支出する予算を盛り込んだ。29日に開かれた本会議の議案質疑では、民間事業への2億円の財政支援が妥当かどうか、保革議員の質疑が集中した。

 議案82号平成29年度飯能市一般会計補正予算中に計上されたのは、地方創生推進事業の名目で、「メッツァ事業負担金」1億5000万円と「飯能地域資源利活用合同会社出資金」5000万円の合計2億円。

 市が出資を行おうとしている飯能地域資源利活用合同会社(飯能市仲町)は、メッツァを構成する宮沢湖西側の有料ゾーン「ムーミンバレーパーク」(約7万3000平方メートル)を開発、保有するために立ち上げられた特別目的会社(SPC)。SPCはフィンテックグルーバル社から用地を取得し、現在ムーミンバレーパークの建設に着手している。

 同湖東側エリアの無料ゾーンに設けられる「メッツァビレッジ」(約16万3000平方メートル)の工事については、細田建設(株)・(株)矢島工務店・(株)加藤建設で構成された「メッツァプロジェクト飯能共同企業体」が請け負っている。

 市は、メッツァについて公益性・公共性が高いと判断、公費支出の方針を固め、今議会に補正予算に盛り込んで提案した。

 同案件で質疑に立ったのは、野口和彦(NEXTはんのう)・新井重治(清風会)・坂井悦子(日本維新の会)・新井巧(共産党)・鳥居誠明(清風会)・栗原義幸(公明党)・金子敏江議員(共産党)の7人。このうち、新井重治・鳥居議員の質疑を次に取り上げる。

 ▽新井議員=このメッツァプロジェクトに総額2億円を支出する補正予算だが、先の全員協議会での報告では、事業主とこれまで協議を行ってきて、このたび協議が整ったとのこと。この協議についてはいつ頃からどのような協議を行ってきたのか聞かせてほしい。

 また、メッツァビレッジ、ムーミンバレーパークについては市内経済への波及効果が大いに見込まれるとの説明だった。どのような試算を行ったのか。これまでは民間事業であるため、民間事業主の関係上、積極的な情報開示は行われて来なかった。しかし、ここにきて公益性、公共性が極めて高い事業であるとのことで、財政支援を行う。この間の事業のとらえ方の変化について聞かせてほしい。

■公共性高い施設

 ▽細田幸二地方創生統括監=メッツァの事業については、メッツァが豊かな自然を有する本市にとって相応しい施設である、本市への多大なる経済波及効果、地方創生に資するということから、積極的に誘致をしたものであり、そうした中で地方創生の連携協定を締結し、進めてきたところ。

 いつからどのように協議を進めてきたかだが、もともとこの連携協定を締結していたことから、それ以降さまざまな支援等について協議を進めた中での一つである。市内への経済波及効果だが、委託業務でその分析を行い、その中で観光消費による経済波及効果を93億8000万円と見込んでいる。

 民間事業に対する情報開示については、メッツァは民間事業だが、メッツァを運営するフィンテックグローバル社については、上場の企業。そうしたことから、民間事業に対する情報開示については民間事業としての情報の機密性等を勘案し、情報開示については極めて慎重に行ってきた。併せて、メッツァがテーマパークという夢のある施設なので、そうした夢を壊さないよう適切な対応を取ってきた。

 ▽新井議員=この事業は本市の地方創生に大きく寄与するとのことである。事業主体はあくまでも民間であり、支援するとすれば財政支援ではなく、技術的な支援、許認可の手続きに関する支援、公共性・公益性が高いと認められれば、税の減免等の支援をすべきと私は思うが、どうか。

 また、負担金を1億5000万円支出した場合に、飯能市は今後この事業にどのように参画していくのか。また、5000万円の出資をすることになると、将来的なリスクも考慮しなければならない。担保はどう考えている。

 ▽細田統括監=財政的支援という考え方について。このメッツァ事業のまず『メッツァビレッジ』については、誰もが無料で利用できる公益的機能を有し、また観光客の増加による観光消費の伸び、メッツァ事業における雇用、物販、飲食の調達など市内経済への大きな波及効果があること。また、本市の認知度やイメージの向上、こうした本市にとって相当な受益があること。こうしたことから、負担や出資をしていきたいと考えているもの。これについては公共性、公益性の観点から十分に意義があるものと考えている。

 メッツァに対して、今後飯能市がどのように関わっていくのかとのお質しについて。市としても行政財産の宮沢湖の使用を許可している自治体として、これまでもメッツァに関し、フィ社とは十分な意見交換をしてきている。こうした関係を今後もより強固にして行きたい。メッツァについても出来る限りの協力をして行きたい。

 今回、出資については『ムーミンバレーパーク』の不動産を保有することを目的にした特別目的会社である飯能地域資源利活用合同会社(SPC)に対して出資するもの。SPCについては、もとの所有者であるフィ社から倒産リスクとしての隔離や支配権が及ばないようにするための仕組みであり、このSPCの仕組みの中で進めていくことでリスクを最小限化を図っているもの。

 ▽新井議員=最悪のことも想定しておかないといけないと思う。この場合の担保については。

 ▽細田統括監=ムーミンバレーパークについては、SPCという手法を用いて行われているので、最大のリスクである事業者の倒産などに対して、その不動産である施設、本市が出資する部分については倒産隔離がなされていることから、その倒産隔離という形での担保が行われていると考える。

■メッツァに市民特典

 ▽鳥居議員=ムーミンバレーパーク5000万円の出資金について。リスクではなく、逆に利益が出た場合の市への分配金はあるのか。また、市民は株主のような立場になると考えるが、そうなると市民への株主優待のような特典があってしかるべき。例えば、入場料の減免といった特典があってもいいと思うが、どうか。

 宮沢湖の周回道路について。周回道路は市民の散歩や中学校の駅伝など多くの市民に利用されてきた。仮に、経営が悪化した場合に道路が売却されてしまうと、市民の利用ができなくなる恐れがある。この周回道路については共有財産にするとか、何らかの手を打って、勝手に売却されないようにすべきと思う。その策は講じられているのか。

 ▽細田統括監=今回の出資は資金の運用とかそういうものではないので、利益の配分云々についてはそれほど大きく考えていない。しかし、現在フィ社から提示されているところとしては、利益が生じた場合には年5%の配当があると聞いている。

 市民にどのような優待があるかどうか分からないが、ぜひ何らか市民の利益になるような形を申し入れたい。所有者の変更に伴う件だが、そもそも宮沢湖については行政財産として貸し付けるもので、それらについて勝手に売却ができるということではない。また、こうしたことについてしっかりと担保するような契約を結んでいきたい。