日高市で「空き家・空き地バンク」創設へ 居住希望者とマッチング図る

空き家・空き地バンクのイメージ

 日高市は、全国的に課題となっている空き家の増加、同様に市内で増加傾向にある空き地を有効活用し、市内への定住促進へつなげるため、空き家・空き地の物件情報を市ホームページ等を通じて公開し、市内への居住を希望する人とのマッチングを図る「日高市空き家・空き地バンク」を創設する。開始日は平成30年1月1日。

 少子高齢化や人口減少を背景に全国的に空き家の増加が問題となっており、日高市でも空き家に関する問い合わせは増加傾向。平成25年度には、適切な管理をしていない空き家の所有者に対し、市が指導や勧告、命令などを行うことができる「空き家等の適正管理に関する条例」を制定した。

 空き家やその敷地が適正に管理されていないことが原因で他者に損害を与えた場合、空き家の所有者がその責任を問われることとなる。市は、これまでに区や自治会から苦情の寄せられた空き家について、指導を行ってきた。

 新たに創設する空き家・空き地バンクは、空き家・空き地に関する所有者から提供を受けた物件情報を公開し、市内への居住を希望する人とつなげ、市への定住促進、さらには地域活性化へとつなげようというもの。

 売買や賃貸借の対象となるのは、市内全域の空き家とその敷地、市街化区域と市街化調整区域の一部の空き地。売買・賃貸借については、媒介資格を有する宅地建物取引業者の協力を得るため、同市を所管区域とする埼玉県宅地建物取引業協会彩西支部、全日本不動産協会埼玉県本部川越支部の2団体と、年内を目途に媒介に関する協定を締結する。

 空き家・空き地バンクを利用した売買・賃貸借の流れは、まず、所有者が、空き家・空き地の登録申請書を市へ提出、同時に「媒介事業者一覧表」内から媒介担当者を1社指定する。

 その後、所有者、媒介担当者、市の三者が物件の現地調査を実施。市が所有者に物件登録と媒介担当者の決定を通知。登録決定後は市がホームページで物件情報を発信するなどして、居住希望者を募集する。

 所有者と媒介担当者が媒介契約を締結。物件を購入・賃借する居住希望者が市へ利用申込書を提出し、居住希望者と媒介担当者が物件の現地確認や交渉等を実施。物件の価格等に納得した居住希望者は媒介担当者を介して物件所有者と売買契約又は賃貸借契約を締結し、新たな所有者(賃借人)が決定する。

 市は現在、市内の空き家の現状を把握するため実態調査を実施しており、調査員が空き家の状態などを現地確認し、必要に応じて付近住民から聞き取り調査を行っている。市議会全員協議会での説明では、市内の空き家状況は約800棟程度という。