風船に夢乗せて 加治東小開校で40周年祝う会

 

将来の夢を書き、風船に括り付けて飛ばす児童たち

 飯能市立加治東小学校(小野加津美校長)が今年度開校40周年を迎え、記念の節目を祝おうと、同校体育館で「開校40周年を祝う会」を挙行した。開校2年目に赴任し7年間教べんを執り、前同市教育委員会教育長を務めた澤田清志さんやプロの音楽家として活躍する卒業生の野田学さんによる記念講演や、記念コンサート、バルーンリリースなどを行い、記念の節目を祝福した。同校は昭和53年4月1日に開校した。

 祝う会では、始めに小野校長が、「40年間、加治東小学校は多くの皆さんに支えられてここまで来ることが出来た。そして今までに、3335人の人が卒業していった。加治東小学校は、これまでの40年間、そしてこれから50年、100年、いつも皆の元気な笑顔が溢れ、頑張る子どもたちがいる、素敵な学校であり続けられるように、皆さんと歴史をしっかりと紡いでいきたい」と挨拶した。

 続いて坂本厚PTA会長が「私もこの加治東小の卒業生で、開校15周年の時に、校庭で航空写真を撮ったことを思い出す。どうかこの先も、子どもたちの健やかな成長の場として益々の発展をされ、歴史を積み重ねていくことを願っている。私たち父兄も学校行事や地域のお手伝いを通じて、さらなる力になれたら」と話した。

 記念講演を行った澤田さんは、大学4年生だった開校1年目の年明けから約1か月、同校で教育実習を行い、翌54年4月から61年3月まで同校で教べんを執った。入間市立仏子小学校、飯能市立飯能第一小学校で校長を歴任し、一小を定年退職後、同市教育委員会教育長に就任し、平成28年9月まで務めた。

 講演では、建設中の校舎や入学式、プール開き、運動会の様子などを収めた写真を映し、開校当時などについて話した。

 また、記念冊子に書かれていた子どもたちの夢を読んだという澤田さんは「皆さんの夢を見させてもらって、とっても素敵な子どもたちがいるんだな、と強く思った。そして、こういう子どもたちが大人に育てば、絶対この地区は、飯能は、この世の中は、良い世の中になる。夢を持つというのはとても大切なこと。だから、友達の夢を笑わないで。そうすると、もっともっと、皆が頑張れる」と話した。

 その後、「故郷を大事にしてほしい。この綺麗な景色を、ぜひ、あと40年先にも残してほしい」と呼び掛けた。

 続いて野田さんも壇上に上がり、二人による対談が行われた。

 野田さんは、創立時の2年生で、第5期の卒業生。東京藝術大学音楽部作曲科を卒業後に渡仏。パリ国立高等音楽院和声科および対位法科を修了し、現在はプロの音楽家として幅広く活躍。「365日の紙飛行機」をはじめとするNHK公式楽譜のほか、ピアノ編曲や合唱編曲を手掛けた多くの楽譜が出版・配信されている。

 対談では、同校での思い出や音楽との出合い、音楽家になるために努力したこと、地元への思いなどを語り、「ピアノは毎日練習しなければならなかったが、音楽が好きだったのでそれほど苦ではなかった。僕もまだ音楽家として道半ばなので、これからも努力し、色々とチャレンジしていきたいと思っている。皆さんも、それぞれの夢に向かって、一緒に頑張っていきましょう」と述べた。

 その後、野田さんの伴奏に合わせ、全校児童で「365日の紙飛行機」を合唱したほか、児童たちが将来の夢を書き、風船に括り付けて飛ばすバルーンリリースが行われ、色とりどりの風船が放たれた。