大久保勝飯能市長は16日、記者会見を開き来年4月1日に実施する行政機構改正の意図などを説明した。現在、市は平成30年度予算案の編成作業を進めており、24日開会の飯能市議会(野田直人議長)12月定例会に、来年度実施予定の議案も提案する。行政機構改正は、大久保市長が2期目の市政を進める上で、取り組むべき方向性を示したもの。企画部を企画総務部から独立強化し、農林課を農業振興課(鳥獣被害対策室)と、森林づくり推進課に分離。同対策室新設で、4月に市職員有志で発足した「鳥獣被害対策隊」の取組を全市的に展開させていく。

 平成27年度の市内でのイノシシ、シカ、サル、アライグマなど野生鳥獣による被害は、農業被害だけでも250件、被害金額は約4500万円にも及ぶ。被害額は県全体のおよそ4割を占め、1775アールが食害を受けたという。

 「何とか対策を立ててくれ、という市民からの切実な声が寄せられていたが、実態として、対応が難しくなっていた」と、農林課を所管する吉澤享産業環境部参事は実情を語る。

 大久保市長から、具体案を考えるように指示があり、山間地域などに住む職員自らが、本気でこの問題に取り組む姿勢を市民に見せ、汗をかき、地域ぐるみの対策を展開することを目的に、全庁的な取り組みとして職員75人で対策隊が発足した。

 隊員は、地元猟友会や非常勤の鳥獣被害対策指導員の指導・協力を得ながら、市民からの聞き取り調査、情報伝達の円滑化、罠の設置、仕掛けた罠の見回り、捕獲の補佐、研修や勉強会を通じて知識の習得などに取り組んでいる。

 隊設立当初は、狩猟免許を所持している隊員は3人だったが、9月に新たに2人の隊員が免許を取得。9月以降、捕獲作業に従事できるようになり、それ以降だけでも同隊は23頭の有害鳥獣を駆除することに成功した、という。

 農林課農務担当で隊員の山川浩義主任は、免許を新たに取得した一人。

 「10月から、猟友会の指導の下、実際に2頭を捕獲しました。罠で捕獲されていても、時間が経つとシカが逃げてしまう事もあるので、毎朝5時起きして現地を見て回っています。捕獲するだけではなく、隊員は解体処分も実施しています」と、苦労の一端を語る。

 「市職員がそこまで取り組むのであれば、我々にも出来る事がないか、という地域住民の声が急速に高まり、活動を全市的に展開するため、今回対策室が設置された」と、吉澤参事は一連の経緯を説明した。

 「担当部署を作って、市の課題や職員の取組姿勢を市民に明確にしたのが今回の機構改革」と、大久保市長は、態度と行動を市民に示す事の重要性を語る。

 そのほか、この日の会見では、平成31年度に、東吾野、西川、吾野の3小学校を統合し、現在の西川小学校と吾野中学校の施設を活用した「施設隣接型小中一貫校」(校名未定)を開校し、近接している保育所も包含した子どもたちを一体的に育む教育環境モデル校作りを目指すという方針も改めて示された。

 市議会12月定例会は、24日開会し12月8日閉会予定。

市執行部は、議会最終日に追加提出する人権擁護委員の推薦に関する人事案件1件、条例案6件、補正予算関連12件の計19議案を提案する。

正式な日程は、11月21日開催される議会運営委員会で決定される。