公約実現へ機構改正 政策統括する企画部設置

 飯能市議会(野田直人議長)は14日、同市(大久保勝市長)からの依頼を受け全員協議会を招集。24日開会される平成29年の第5回12月定例会を前に、市執行部は実施予定の主要施策などや、市議会に提案する条例案の説明を行った。

 30年秋、メッツァビレッジが、31年春にムーミンバレーパークが開業予定のメッツァ事業に対して合計2億円の財政負担や出資を実施すること、行政機構改正を行い、企画総務部を企画部と総務部に分離、地方創生推進室を企画部内に移し、農林課を農業振興課(鳥獣被害対策室)と森林づくり推進課に分割すること、交通安全対策「ゾーン30」を新町地区に新たに整備すること、12月上旬にノーマイカーデーを実施すること、新たに特定施設誘導地域に区域指定された芦苅場地内に、物流施設の管理・運営などを事業とする㈱シーアールイーが、従業員規模数百人になる大型物流倉庫の立地を進めていること、クリーンセンター新施設の火入れ式及び式典が12月7日に挙行され、同20日から本稼働すること、敬老祝金が廃止されること、特定検診の受診率が、県内の市では4年連続1位となったことなどが次々報告された。

 また、市は、行政機構改正に伴う関連条例、飯能市郷土館を飯能市博物館に名称変更するなど、リニューアルオープンに向けた関連条例の改正、敬老祝金の廃止に伴う条例の改正、申請者の所得によっては、医療費の支給対象にはならなくなるひとり親家庭等の医療費支給に関する条例改正、介護保険条例の一部改正案など6議案を議会に提案する。

 企画部設置は、公約実現、特命事項を担当する部門と、総合振興計画等全庁的な政策を統括する部門、情報戦略部門を集約し、政策を確実かつ円滑に実現するとともに、地方創生と攻めの市政運営をさらに加速させることが目的。また、鳥獣被害対策を最重要課題の一つと位置付け、一元管理し集中的に取り組むために対策室を設置し、林業・木材業の再生をはじめ、環境、観光、健康づくり、スポーツなど各分野での新たな産業の可能性を研究検討するために、森林づくり推進課を設ける。

 大久保市長が、2期目の公約と課題として掲げている地方創生や、鳥獣被害対策を始めとする山間5地区対策など、今後4年間の市政運営方針と方向性が色濃く出た機構改革になっている。

 市は、現在、35年度までを計画期間とする「市地域公共交通基本計画」を見直し、市が目指す公共交通ネットワークの基本的な考え方と、その実現に向けた「地域公共交通網形成計画」策定を目指し協議を行っているが、その協議経過も報告された。ノーマイカーデーは、地域公共交通の果たす役割を市民に実感してもらう事等が目的で、ゾーン30は、最高速度を30キロに制限するなど、その対象区域の交通安全対策を推進するもの。交通施策も大久保市政2期目の取り組むべき重要課題という事が分かる。

 さらに、敬老祝金の支給は、昭和33年に開始された施策。平成28年度は、77歳、88歳、99歳以上の高齢者1273人を対象に1120万6000円が支給されている。

 12月定例会は、今月24日開会。21日に開催予定の議会運営委員会で会期や閉会日などが決定される。