特産クリの魅力全国へ 官民学連携で新たに商品化

大粒の高麗川マロンをふんだんに使った「栗匠 高麗川ブラウン」

 日高市は、特産品のクリを使った官民学連携による土産品プロジェクトとして、菓子製造販売を手掛ける「かにや」(狭山市)、女子栄養大学(坂戸市)と協力し、市のブランドクリ「高麗川マロン」を使用したテリーヌ「栗匠 高麗川ブラウン」、地元産のクリの渋皮煮を丸ごと使った「栗匠 栗饅頭」の2品を完成させた。高麗川ブラウンは数量限定で予約販売、栗饅頭はかにや全店舗で販売され、いずれも11月2日から予約受付・販売を開始する。

 高麗川ブラウンは、20日に日高を訪れた天皇皇后両陛下がご会食の際に召し上がっており、数量限定の桐箱入りで1本7800円。高級菓子となるが、市は「高品質な材料を高単価高品質な製品に仕上げ、限定販売とすることで、高いブランドイメージが得られる」と期待している。

 同市は県内随一のクリの生産量を誇り、大粒で高品質のクリだけを集めた「高麗川マロン」や加熱すると鬼皮と渋皮が剥がれ果肉だけを取り出すことができる「日高ぽロン」といったブランド品種が存在し、高品質で大粒といった特色から市場からも高い評価を受けている。

 しかし、近年では農業者の高齢化等の影響により、生産者の離農や規模の縮小が見受けられ、年間出荷量は10年前と比べ半減しているという。

 そこで市は平成26年度から、地場産クリの知名度向上、ブランド力強化、生産量増大に向けた事業を展開し、その一環として、クリを使った新たな商品開発の検討を進めてきた。

 検討にあたっては、新たなアイデアを事業に反映させることを目的に官民学連携を図り、今年1月から2月にかけて女子栄養大学と商品開発検討会を開き、栗菓子のアイデアをピックアップ。具体的な商品化に向け、商品開発に意欲的で販路も豊富な事業者として、かにやが製造を手掛けることとなった。

 消費者層には、日頃土産品を購入する50~60代の女性や、話題の菓子や写真映えする洋菓子に興味がある30歳前後の女性などを想定。クリを主役にそのブランドを高めるため、味や品質に妥協しないよう心掛け、特徴を高めるようなパッケージ選定などを行った。

 高麗川ブラウンは、高麗川マロンの渋皮煮をふんだんに使用した栗のテリーヌ。大粒でクリ本来の味と香りが豊かな高麗川マロンの中でもしっかりとした味わいを持つ品種「大峰」をふんだんに使用。余計な原材料は一切使用せず、沖縄産黒糖の風味により栗の味わいを引き立てた。

 同商品は、20日に日高を訪れた天皇皇后両陛下が高麗神社でご会食された際にも献上されている。

 栗饅頭は日高産の栗を使った渋皮煮を丸ごと詰め、「サクサク」「ふんわり」「ホロホロ」とした食感を楽しむことができ、従来の栗饅頭のイメージを覆す新しい食感・味わいを感じられる一品。

市担当によると、官民学連携による新たな土産品づくりは、日高産のクリの価値を高め、生産者の収入とモチベーションをアップさせることが当面の目的。これまでの農業者支援で用いられた補助金交付による直接支援から、営農が継続可能な仕組み作りを構築してくという間接的な支援により、生産者自らの自発性が高まることを期待している。

 高麗川ブラウンは1シーズン100本の限定販売。1本約600グラムで桐箱入り、販売価格は7800円。11月2日からかにや全店で予約販売を開始し、予約した2日後から引き渡しが可能となる。栗饅頭は1個300円。11月2日からかにや全店で販売される。

 事業に関する問い合わせは、日高市産業振興課989・2111、商品に関する問い合わせは、かにや04・2954・7111へ。