坂井議員が議場で謝罪 認識、配慮不足が混乱招く

 「認識、配慮不足が議会に混乱を招く結果となり(略)心より謝罪を申し上げます」。飯能市議会(野田直人議長)9月定例会は14日、坂井悦子議員(日本維新の会)に対する問責決議が6日に、議長と退席を求められた坂井議員を除く全会一致で可決成立した問題で、坂井議員からの謝罪の申し入れを受け入れ、この日議事日程を変更し、予定されていた一般質問の前に、坂井議員が、問責決議可決に関して謝罪する機会を設けた。

 これで、問題は一応の決着が図られ、およそ1か月に及んだ同議会の混乱は終息するものと思われる。

 発言の機会を認められ、冒頭謝罪に立った坂井議員は、緊張の色が隠せないもののしっかりした口調で、「日本維新の会、坂井悦子でございます。議長のお許しを頂き、発言の機会を頂きましたことを、感謝申し上げます」と切り出した。

 今回、ここまで問題を大きくすることになった、坂井議員が自身のブログで個人情報の保護に抵触しかねない職員のプライバシーについて記載した問題と、問責決議成立後、日刊新聞数紙に坂井議員のコメントとして「代表者会議の内容について口外しないと約束した覚えはない」と掲載された問題については、「会議における『口外しない』という約束についての認識違い、個人のプライベートに関する私の配慮不足等々、認識、配慮不足」が原因と釈明した。

 また、「事の発端となった私の依頼書につきましては、本来もっと謙虚な姿勢でお願いを申し上げるべきところでございました。ご迷惑、ご心痛をお掛けしましたことを事務局職員の皆様にもお詫びを申し上げます」と謝罪し、問題は初めから自分の方にあったと認めた。

 「野田直人議長様をはじめ、すべての議員の皆様に心より謝罪を申し上げます」と、議会を混乱させたことにも触れ、「問責決議にて、猛省を促され(略)これに従い謝罪の言葉といたします」と結んだ。

 坂井議員から市の議会事務局に提出された文章「SNS等情報発信制限通知事件」から始まったこの問題は、約1か月間市議会を混乱させ、6日の同議員への問責決議可決にまで発展。翌7日から日刊新聞数社に、代表者会議の内容について「口外しない」と同意したつもりはないなどという坂井議員のコメントが掲載された。

 この事に対して、8日に代表者会議が開かれ、坂井議員に新聞に掲載されたコメントの真意や経緯、ブログをなぜアップし続けるのか等が質され、各派の代表者らが意見を述べていた。

 坂井議員は、ブログの削除については、「即断出来ないので、考えさせて頂きます」と回答。議論は深まらず、問題の取り扱いについては、正副議長預かりという形で結論は持ち越され、問題は着地点が見出せない状況に陥り、混乱に拍車が掛かっていた。

 しかし、問責決議成立後も、支部長のSNSで、「村社会の地方会議は出る釘を打とうと必死!戦い続けます」(14日正午時点で掲載継続)などと、飯能市議会議員の気持ちを逆なでする記事を掲載し、「強気」を見せていた坂井議員が所属する日本維新の会埼玉総支部が、今週初め、坂井議員のブログを総支部管理とし、問題になった部分の一部を削除、同会支部長らが来飯。野田議長、中元太副議長に面会を求め議長らから、これまでの経緯を説明され、やっと事情を把握、事態収拾に動いたことで、飯能市議会も鉾を納めることが出来た。坂井議員からの自主的な申し出を受け入れ、この日急きょ謝罪の場が設定され、今後議会は正常化に向かうものと思われる。