施設内にパン直売所オープン 埼玉現成会「太陽の丘」

菓子パンや調理パンなどがずらりと並び、目移り必至

 社会福祉法人埼玉現成会(長棹美枝子理事長)が運営する障害福祉サービス事業「太陽の丘」(飯能市川崎、橋本豊施設長)に、菓子パンや調理パンなど約20種類の焼きたてパンを販売する直売所「パン工房太陽の丘」がオープンした。

 同施設では、障害者就労支援B型として、利用者の持っている能力を発揮する場となるよう、平成25年11月の開所と共にパンの製造を開始。個々の適性に合わせて作業を分担し、力を合わせて取り組んでいる。

 これまでは同法人の関連施設への提供や事業所など一部で販売し、「優しい味がして美味しい」と好評を得ており、同施設の管理者で、サービス管理責任者の木﨑正利さんは「一つひとつ心を込めて手作りした、出来立てのパンをぜひ味わってほしい」と笑顔を見せる。

 利用者の主な仕事は、パンの成形、袋詰め、後片付け、販売など。製造したパンは、同法人の幼稚園や保育園、学童保育などの関連施設への提供をはじめ、日高市の総合福祉センター高麗の郷や地域の事業所など6か所ほどで定期的に販売しているほか、ツーデーマーチ会場でも販売し、「優しい味がして美味しい」と評判を呼んでいる。

 店舗内には菓子パンや調理パンなど、定番品から新商品、季節限定品まで約20種類が並ぶ。特に人気なのは、ウインナーパンやピザパン、シナモンロール、あんパンなど。これからの季節はクリやカボチャなど秋の味覚を使用したパンが登場する予定という。

 生地には保存料などは使用せず、シンプルな食材で安心安全をうたう。当日の朝焼きあがったパンを一つひとつ包装し、焼きたてを提供している。

 バラエティー豊かな商品を提供するため、利用客の声を参考に管理栄養士や職員がアイディアを出し合い、試作品を製作。施設利用者らとともに味見し、美味しさを確認してから製品化しニーズに合った商品を提供するよう心掛けている。

 オープン当日には、利用者の家族や地域の人々が次から次へと買い物に訪れる中、利用者は揃いのバンダナとエプロンを身に着け、接客した。

 木﨑さんは「利用者が心を込め、力を合わせて作った出来立てのパンをぜひ味わってほしい。また、自己表現の場として、店内には利用者の描いたイラストも飾っているので、ご覧になって頂けたら」と話している。

 値段は120円均一。販売は毎週火曜日の午前10時半から午後1時まで。第3火曜日、祝日除く。

 埼玉現成会については、法人本部がある永田で、特別養護老人ホーム敦徳園、ケアハウス蘭風園、飯能元氣保育園、所沢市で所沢元氣保育園、東京都杉並区で杉並元氣保育園などを運営しており、太陽の丘は、同法人として初の障害者福祉分野での事業。問い合わせは、975・1555へ。