坂井議員に問責決議 SNS発信問題に端

問責決議の提案理由を説明する平沼議員(左)。後方左は野田議長

 飯能市議会(野田直人議長)9月定例会は6日、市執行部から提案された条例改正案5件や、決算の認定など合計24議案に対する質疑が行われ、各常任委員会に付託されたが、議会閉会直前、議会運営委員会委員長の平沼弘議員(みどりの会)から、坂井悦子議員(日本維新の会)に対する問責決議を議案とするよう緊急動議が出され、議会は直ちに休憩。問責決議案の取り扱いを巡り各会派代表者会議が開かれ、問責決議案は議員提出議案として本会議に提出することが決まり、本会議で退席を求められた坂井議員を除く全17議員が起立し問責決議は可決成立した。

 事の発端は7月下旬、坂井議員も所属する市議会広報委員会の視察の際、視察中の事はSNS等への発信を投稿しないように制限されたとして、8月16日に開かれた各会派代表者会議の席上、坂井議員から野田議長あてに「SNS情報発信制限事件」という文章が提出されたことから。

 この文章の取り扱いを巡って協議の結果、野田議長から、発信制限したつもりはなく、誤解を招いたとして謝罪があり、いったん会議で取り上げられた坂井議員提出の文章も破棄された。このため坂井議員も納得の上、問題は終了したと思われた。

 しかし、8月23日、坂井議員は自身のブログに代表者会議の内容をアップ。この中に、職員の健康に関するプライバシーも記載されていた。16日の代表者会議が、野田議長から「他に口外しない約束」の下開催されたこともあり、「陳謝、反省等の態度も見られず、議会の混乱を招いた責任は重大」(平沼議員)として、この日の問責決議案提出に至った。

 また、問責決議とは別に、8月24日には、日本共産党飯能市議団(金子敏江代表)から野田議長に、この問題を巡って、職員のプライバシー保護と坂井議員への対応の検討を求めた「日本維新の会 坂井悦子議員が発信したブログの扱いについての申し入れ」書が提出されていた。

 問責決議には、提出議員の平沼議員の他、関田直子議員、大津力議員、野口和彦議員、栗原義幸議員、松橋律子議員、加藤由貴夫議員、砂長恒夫議員、加涌弘貴議員の8議員が賛成者に名を連ねた。

 6日の代表者会議では、一部文言の修正以外、特に活発なやり取りもなく、本会議でも質疑討論はなく、すぐに起立採決が行われ坂井議員退席の下、議長を除く全17議員が賛成し問責決議は可決成立した。

 成立した問責決議は、「個人のプライバシーをも守らず公表する行為。議会の品位を著しく傷つけるもの。議会を混乱させるやり方は、断じて許されるものではない」などと指摘し、「坂井議員に対し、猛省を促すとともに、今後、議会の秩序を乱すような発言等を慎むよう強く問う」と、坂井議員の反省を求める内容になっている。