飯能の秋の味覚 ナシ、ブドウ最盛期

彩玉を収穫する利根川哲さん

 飯能の秋のフルーツ、ナシやブドウの収穫が最盛期を迎え、市内の各直販所には、毎年心待ちにしている果物好きが引きも切らず訪れている。

 同市双柳の「マキノキ園(利根川享代表=77=)にも、朝採りの新鮮なナシやブドウを求め、日高や坂戸を始め遠くは都内から、午前中を中心に多くのファンが訪れている。

 同園のナシの主要品種は、幸水、彩玉、豊水、新高の4種。幸水は既に終わり。彩玉も9日くらいまでだが、甘みと酸味があってコクのある味が特徴の豊水(1キロ550円)は、9月の彼岸頃まで収穫が続く。その後、栽培量は少ないが、にっこり、新興という品種が収穫でき、10月になって、パリパりするくらいの歯ごたえがあり、甘みも強い新高(同550円)を楽しむ事が出来る。新高は、1か月程度日持ちするので、年内いっぱいナシが食べられる。

 同園のブドウの主要品種は、ブラックビート、フジミノリ、巨峰、ピオーネ、シャインマスカットの5種。ブドウは、在来の1種を除いて全てキロ1300円。5日現在は、ブドウの王様とも呼ばれる巨峰が最盛期。6日から、大粒で甘みが強く香り高いピオーネと、皮ごと食べられ糖度が高くマスカット独特の香りがするシャインマスカットの直販を開始した。シャインマスカットは数が少ないが、ピオーネは9月のお彼岸頃まで収穫される。

 他に、同園ではロザリオビアンコ等他にも5種以上のブドウを販売している。

 同園のナシ、ブドウ以外の主要作物は、キウイフルーツで、ナシが終わった11月頃から翌年1月まで販売される。サクランボ、桃等も扱う果樹専門農家。

 近年、天候が安定していないため、今まで発生しなかったような病害虫が大発生する年もあるが、今年は幸い目立った病害虫の発生は見られなかった、と長男の哲さん(43)は語る。

 しかし、味や色が乗るときの8月前半に雨や低温が続き、色づきが遅く、8月中旬に直販を開始したころは、例年の半分程度の収穫が続くことも。下旬になって天気が回復、一気に収穫量が増え、ナシは例年並みになりそう、と哲さんは胸をなでおろす。

 同園の果樹3種は、市のふるさと納税の返礼品にもなっている。昨年は年末に、キウイフルーツが返礼品として多く出荷されている。

 マキノキの由来は、かつて畑に大きなマキノキがあったことから、数代前から土地の人達が呼び習わした屋号。

 同園は、約1・2ヘクタールの農地で現在果樹を中心に生産しているが、人手の問題などがクリアできれば、規模の拡大も視野に入れている。

 同園は、飯能駅から車で約10分、徒歩の場合約25分。

 問い合せは、同園042・972・6381。

 同園以外のナシ、ブドウなどについては、飯能市農業青年会議所事務局973・2122へ。