右側植林地が飲食店の建設予定地。後方は「子ども劇場」

右側植林地が飲食店の建設予定地。後方は「子ども劇場」

 飯能市は、年間20万人超の来園者を誇る、同市阿須の加治丘陵に開園する「トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」の改称などを記念した式典と関連イベントを102829日の両日、園内で開催する。市は、トーベ・ヤンソン氏の本国フィンランドの関係者にも招待状を送付する予定。一方、園内では、北欧を連想させる飲食の提供とムーミン関連のグッズ販売などを行う新たな施設建設が9月から始まる。

 公園の魅力を高めるこれら一連の取り組みは、宮沢湖に平成3031年と段階的にオープンするムーミンテーマパーク「メッツァ」と連携したもので、市の地域創生の重要施策。

■改称記念式典

 あけぼの子どもの森公園は、平成9年7月に平成新時代の幕開けを記念した「平成記念子供のもり公園」として国の指定を受けて開園。飯能市街地を遠望できる丘陵の裾野に広がる約7・6ヘクタールの園内には、北欧の童話に描かれているような曲線を用いたユニークな建物が地面からニョッキリと生えたように建つ。

 園内には、トーベ・ヤンソン氏の著書であるムーミン関連の書籍や絵本などを所蔵する資料館的な建物もある。当時の飯能市役所建設担当職員が、計画段階からトーベ・ヤンソン氏とやりとりした手紙も関連資料として展示されている。

 開園から20年が経過した今、年間来園者は20万人を超え、台湾など海外からの来園も目立つなど、一地方自治体の特筆すべき公営施設として、同公園は成長。この間、あけぼの子どもの森公園の開設実績もあり、北欧童話のムーミンを主題にした本国以外では世界初というテーマパークの誘致が宮沢湖に決まった。

 ムーミンテーマパークの事業化が決定した一昨年、同市副市長がフィンランドのムーミンのライセンス管理会社である「ムーミンキャラクターズ社」を訪問。会談の中で、北欧童話の雰囲気漂うあけぼの子どもの森公園にトーベ・ヤンソン氏の名を付けたい旨、打診したところ了承、ライセンス交渉を経て、今年6月1日付けで施設名が市念願の「トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」に改称となった。

 国際弁護士を通じて市はライセンス契約に向けた交渉を行い、その結果、5月中旬に4年間で1万5000ユーロ(日本円で185万円前後)とするライセンス料で契約を交わした。

 施設名改称記念式典は1028日午後、園内の「子ども劇場」で実施する。式典の来賓予定者は地元市議、県議、国会議員、県の観光担当部署、メッツァ事業を手掛けるフィンテック・グローバル社など。市はフィンランドの関係者にも招待状を送付する考えでいる。29日は、子ども向けイベントのほか、トーベ・ヤンソン氏の資料展示などを園内で行い、名称変更を祝う。市は、式典開催経費を9月1日開会の9月定例会に提案する補正予算に計上する。

■北欧ムードの飲食店

 トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園が、世代を超えてさらに愛される公園となるよう園内に新設されるのが、飲食提供とともに物販機能も有する店舗。建設場所は、公園東側にある「水浴び小屋」の北西側。

 計画では、建物は木造2階建てで延床面積は約99平方メートル。入口正面に厨房、右側にトーベ・ヤンソン氏の書籍などの展示スペースと売店、左側に休憩スペースが設けられる。

 設計は園内の建物を設計した都内の村山建築設計事務所が担当し、9月上旬から建築工事着手となる。開園しながらの工事は、公園利用者の安全確保が難しいことから、市は9月4日から同18日までと、年明け1月5日から3月31日までの2回、施設を臨時休園して作業を進め、平成30年春のオープンを目指す。

 同飲食店では北欧を連想させる食事を提供し、運営者については募集要項を制定後、公募により選定することにしている。

 トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園から、直線で北におよそ4・5キロメートル離れた宮沢湖には、北欧のライフスタイルを体験できるゾーン「メッツァビレッジ」が平成30年秋、ムーミンの物語を主題としたゾーン「ムーミンバレーパーク」が同31年春グランドオープンする。