「土台作り終え、棟上げの時」 大久保氏、新人2人に大差つけ圧勝

 

当選を祝う花束を手に笑顔を見せる大久保氏

 飯能市民が、今後4年間のかじ取り役を託したのは、現職市長の大久保勝氏(64)=無所属(自民・公明推薦)=だった。

 任期満了(8月7日)に伴う飯能市長選は9日投開票が行われ、大久保氏が1万7410票を獲得、前市議で新人の椙田博之氏(53)=無所属=、主婦で新人の長谷川順子氏(44)を大差で退け再選を果たした。

 大久保氏は、「メッツァ」誘致などの実績を武器に、「土台作りが終わり、次の4年間は上棟の時。攻めの市政で発展都市実現」を訴えた。多くの飯能市民が、大久保氏の実績を評価し市政継続を選択した形となった。しかし、投票率は42・76%(男42・87%、女42・64%)で前回(57・60%)を14・84ポイント下回り、大久保氏も前回より得票数を2300票近く減らした。今後、市民の市の将来像や市政への関心の喚起も重要な課題となった。

 椙田氏は、大久保市政からの脱却、総合的な子ども対策などを訴え、大久保市政に疑問を持つ保守層の取り込みなどを図ったが、大久保陣営の手堅い組織力、子育て施策の実績に対する支持層を崩すに至らなかった。長谷川氏は、きめ細やかな子育て支援策の充実などを訴えたが、出馬表明が6月中旬以降と大きく出遅れ、市民に浸透しなかった。

 当日有権者数は6万8019人(男3万3778人、女3万4241人)。投票者数は2万9084人(男1万4482人、女1万4602人)。

 大久保氏は、1回目の発表直前に事務所に姿を現した。勝利を確信し詰めかけていた支持者に握手や拍手で迎えられ、もみくちゃになりながらその時を待った。

 第1回の発表で、圧倒的リードが伝えられると、会場のあちこちから「やったー」の喜びの声が沸き上がり、万歳三唱で勝利の喜びが爆発、続いて祝いの花束を受け取った大久保氏は、 「(勝因は)まず、後援会組織がしっかりしていた。1期4年間で飯能が変わるということを、市民に分かって頂き、もう4年間やってみろという気持ちを持った市民が大勢いたからと思う」と、気を引き締めながら勝因を語った。

 また、「来年のメッツァ開業を市として応援し、攻めの市政を継続し人口増に結びつけたい」「選挙が終わったら市民に一つになってもらい、市民の思いをしっかり受け止めた市長になりたい」と、今後4年間の抱負を語った。