任期満了に伴う飯能市長選は、いよいよ2日告示され、9日の投開票日に向けて一週間に及ぶ選挙戦に突入する。

 現職で2期目を目指す大久保勝氏(64)=無所属(自民、公明推薦)=、今春まで5期20年市議を務めた新人の椙田博之氏(53)=無所属=、主婦で新人の「住みよい飯能市をつくるみんなの会」などが推薦する長谷川順子氏(44)=無所属=の3人が名乗りを挙げ、「保保革」三つ巴の選挙戦になる可能性が高い。

 この選挙戦で問われるのは、1期目の大久保市政。少子高齢化が進み人口減少が懸念され市の収入も限られる中、人口増加策や観光客の呼び込み、山間5地区対策、雇用創出、子育てなど子どもへの支援策、県水問題、情報公開と市民参加等、市が取り組むべき課題は少なくない。今後4年間の舵取りが誰に託されるか、市民の審判が注目される。

 前回の市長選は、4期目を目指した沢辺瀞壱氏と、前市議の大久保氏の一騎打ち。大久保氏は1万9696票を獲得、自民、公明の推薦を得ていた沢辺氏に2000票近い差を付け初当選した。大久保氏の勝利に貢献したのが、大久保陣営で選対本部長を務め、今回袂を分かつ形で出馬した椙田氏だった。

 大久保氏は、市議会3月定例会の中で、中元太議員(公明党)の一般質問に答え再選への決意を表明。

 前回は、自民・公明の推薦を得ていた現職に挑む形だったが、今回は現職として自民・公明の推薦を得て攻守ところを変え盤石の体制で再選を目指す。

 大久保氏は、「何より、メッツァの誘致に成功し、職員一丸となって消滅可能性都市から発展都市を目指して、攻めの姿勢で市政に取り組み、子ども医療費の無償化など子どもと女性に優しい街づくりにまい進してきた」と、4年間の実績を強調。

 今後4年間に実行すべき施策としては、「飯能市から始まる日本の創生」をスローガンに、「子育て支援の充実!」「魅了する観光の創出!賑わいづくり!」など7項目に公約をまとめる。

 椙田氏は、3月21日に出場を正式表明。

 「50歳代で市長選に挑むと決めていたが、今、市役所の異動が頻繁過ぎ危機を感じる。プロの職員が育たない」と、大久保市政を危ぐし出馬動機を語る。

 「飯能を輝くまちへ!」を掲げ、「若い世代の子育てを徹底して支援!」「輝く未来の子どもたちのために!」など、政策課題を5つにまとめる。

 夢は、飯能から五輪選手の輩出で、子どものうちに基礎体力が培えるような仕組み作りを目指す。

 特に子どもたちに焦点を当て、子育て支援だけではなく、すべての子どもが差別も区別もなく、学び、遊び、活動できる環境整備が第一のコンセプト。そのほか、ビジターセンター設置、山林広葉樹化、ジビエ関連の産業化など多くのビジョンを掲げる。

 長谷川氏は、子育て中の母親たちとの情報交換、原発被災者や難民支援のチャリティーバザー、政治や投票率向上を考える会など幅広い分野で活動している。

 北欧では、子育て世代の積極的な政治参加と高い投票率が、子どもの成長を応援する手厚い福祉施策を支えていると知ったという。

 6月に入り、市長選立候補への声が掛かり、数日のうちに出馬を決断した。

 長谷川氏の推薦母体は、「住みよい飯能市をつくるみんなの会(杉田実会長)」。埼玉9区・野党共闘市民連絡会も推薦する。

 「ママがうごけば市政も変わる」をスローガンに、保育所の待機児童をなくす、給食費の無償化など「ニーズに応える子育て支援」を中心に、「市民の暮らしを応援」「医療・介護・福祉の充実」を公約として、「市民参加の街作り」を目指す。

 6月1日現在の有権者数は、男3万4173人、女3万4627人の合計6万8800人。

 市長選立候補届出の受付は2日、市役所5階第2委員会室で午前8時半から午後5時まで。開票は9日午後9時10分から飯能第一小学校体育館で行われる。1時間後の同10時10分に選挙管理委員会から一回目の開票速報が発表される。前回、参議院選挙も同日に投開票が行われたが、10時32分には最終確定票が発表されている。

 前回25年の市長選は、投票者数3万8549人、投票率57・60%。