アスクルの新たな物流拠点で行われた大規模消防演習

アスクルの新たな物流拠点で行われた大規模消防演習

 火災により三芳町の大型物流倉庫を焼失したアスクル(東京都江東区)が今年4月に新たな物流拠点を開設した日高市上鹿山の賃貸物流施設「GLP狭山日高Ⅱ」で15日、埼玉西部消防局主催の大規模消防総合演習が行われた。

 事業者への防災意識の啓発と、災害発生時の連携を強化し再発防止を図ることを目的としたもので、同消防局、日高市消防団、県防災航空隊に加え、アスクルの従業員250人が参加し、火災の発見から通報、初期消火、避難誘導、消防隊による消火救出活動まで一連の訓練が行われた。

 演習の想定は、物流倉庫1階で出火し、付近の商品や物流パレットに延焼拡大、建物内に黒煙が充満したというもの。火災を発見した従業員が「火事だ」と付近の従業員に大声で知らせたのを合図に訓練が始まり、施設の自衛消防隊を中心に通報や初期消火、従業員の避難誘導を実施。

消防・救急車両が次々に現場に到着し、負傷して動けない人や3階に複数の逃げ遅れた人がいるとの想定の下、救助隊による建物内からの救助、梯子車による3階非常口からの救出、一斉放水などが行われた。

 訓練終了後、埼玉西部消防局の荒幡憲作消防局長は「迅速な通報、消火器や屋内消火栓設備を活用した初期消火活動、整然とした避難など、訓練の結果は良好だった。火災被害を拡大させないためには日頃の準備と初動体制が大変重要となる。消防関係法令を遵守して頂くことはもとより、皆さんの高い防火意識と消防用設備等の適切な維持管理など消防計画に基づく防火管理の徹底をお願いしたい。今後も訓練を重ねて頂き、安心安全な職場を構築して頂きたい」と講評した。

 地元を代表して谷ケ﨑照雄市長、小谷野五雄県議は「一度発生すると大変な被害が出るのが火災。開口部のない倉庫での火災は大惨事につながる可能性がある。絶対に火災は出さないとの心構えを持つとともに、訓練を積み重ねていくことが大切」などと述べた。

 上鹿山のGLP狭山日高Ⅱは、グローバル・ロジスティック・プロパティーズ(GLP、東京都港区)が昨年9月に建設したマルチテナント型と呼ばれる企業向けの賃貸型物流施設。延床面積8万5700平方メートルの地上5階建て。

 アスクルは今年2月の三芳の倉庫火災を受け、4月にGLP狭山日高Ⅱの1~3階の賃貸借契約を結び、「アスクルバリューセンター日高」を開設した。

 今回の演習にはアスクルの岩田彰一郎社長も出席し、訓練終了後、参加者を前に挨拶。

 「ご存知の通りアスクルは、三芳町のセンターで大規模な火災を発生させ、近隣の皆様や関係者の方々に大変なご迷惑とご心配をおかけした。あのような火災を二度と起こさないとの決意を持ち、今回の訓練に参加させて頂いた。日高市のセンターでは今後、550人が働くことになる。何よりもまず働く皆さんの安心安全を守っていかなければならない。訓練を通じ、消防との連携、初期消火の重要性を改めて学んだ。ご指導を頂きながら皆様とともに安全なセンターを作って参りたい」と述べた。