建物の一部について、実際は自己の住居用として使用していたものの、飯能市が賃貸用事務所と評価、そのため約18年間にわたって合計約800万円もの固定資産税が課税されていた──。

 こんな事案が市内で発生している。関係者によると、約800万円は市に納入済みで、建物の所有者は市に対して納入した税の返還を求めているが、市は当時の評価に誤りはないとして、固定資産の価格等の修正や還付を行うことはできないと、所有者らの訴えを退けているという。

 建物は、市街地に建つ平成11年7月竣工の地上3階建て。建物関係者の言い分を要約すると、次のようになる。

 同11年、完成した建物について納税義務者の立ち合い無し、さらに部屋を確認することもなく、市が3階部分の一部の用途を賃貸用事務所と判断。

 同21年、このことで所有者らが固定資産税額の見直しについて税務担当部署に相談したものの現地調査はなく、当然のように税額の変更も行われなかった。

 同29年になって、固定資産税の支払いが困難になったことから、所有者らが市税務担当に相談。

 そうしたところ、評価が正しいかどうかを確認するため、納税義務者代理の立ち合いのもと、市職員により現地調査が実施された。

 その結果、事務所ではなく住居と確認され、これによって29年度の固定資産税から見直しが行われた──。

 平成11年に賃貸用事務所として評価されたものが、同29年の現地調査で住居用と見直しされたことで、建物所有者らは当時の家屋調査に不備があったのではと指摘。市窓口に出向いたり、文書で質問し、固定資産税の返還を求めたが、これまでのところ、市は一切応じず、双方の主張は平行線のままという。

 関係者は、「約18年間にわたって実際の用途と異なる評価による固定資産税を支払い続けた。これは、平成11年の市担当者の調査評価における認定に誤りがあったことが原因です」と主張する。

 この問題では、同建物を施工したハウスメーカーも、建物所有者に報告書を提出。

 3階の建物用途について、確認申請の図面「事務室」と記載した部屋は、施主から趣味の部屋として使用したり、多目的に使用できる大きな部屋を設置するように指示を受けたものであり、他人に貸すことはないので、施主の居住部の一部とした。さらに、電気、水道についても施主家族の居住部とされている部分と同系統としたことを理由に、市側が指摘する賃貸用事務所としての用途を否定している。

 関係者は「市の対応は、納得がいかない」と憤り、「こうした事例は、私のところ以外でも発生しているのではないか」と話している。