椙田氏が事務所開き 五輪選手の輩出目指す

目指すべき夢やビジョンを語る椙田氏

 任期満了に伴う飯能市長選は7月9日に投開票日を迎えるが、新人で前市議の椙田博之氏(53)=無所属=は4日、同市八幡町に、新たに「すぎたひろし後援会事務所」を立ち上げ、集まった支持者や関係者約60人を前に、「皆さん、どうか、一緒に新しい飯能市を創って行こうではありませんか」と、呼び掛け、出席者全員が拍手で応えた。

 これまで、ミニ集会を中心に地道な活動を続けてきた椙田氏だが、これで約1月後に迫った選挙戦への体制が整った。同市長選には、現職で2期目を目指す大久保勝氏(64)=無所属(自民・公明推薦)=が立候補を表明しているほか、共産党は、「市政を変えるみんなの会」を通じて、女性候補の擁立に向けて調整中で、「保保革」三つ巴の公算も大きくなっている。

 椙田氏は、同市川寺の出身。加治小学校、第一中学校、県立豊岡高校、法政大学経済学部を卒業。総合司会業などを経て、平成9年、同市議会議員選挙に33歳の時に挑戦し、824票で初当選。以来5期20年間に渡って市議を務め、議長、副議長、議会運営委員長、総務委員会委員長、厚生文教委員会委員長などを歴任。

 特に、26年3月、議会改革特別委員会委員長に就任。ペーパーレス化、事務の効率化を図るため、他の自治体に先駆けてタブレット端末を導入、先進的な取り組みとして全国から注目された。

この日、先月、同後援会の新会長に就任したばかりの間柴新作氏があいさつ。

 「今、一番必要な物は明確なビジョン。何を求めてどこに行くのかが大切な時代になり、地域のリーダーとして、地方行政を立て直し、新たなビジョンを作り上げるには、私をも投げ打ってまい進する椙田博之氏が相応しい」と、椙田氏を紹介。

 紹介を受けて、出馬への思いを語った椙田氏は、「私には、夢があります。まず、飯能からオリンピック選手を輩出すること。もう一つは、飯能だけではなく、東京都瑞穂町や、青梅市も巻き込み、メッツァも含めた飯能を森林のテーマパークにすること。観光案内や荷物の預かり機能を備えたビジターセンターのようなものを作りたい」と、最初に夢を具現化していくビジョンを語った。

 次に、目指すべき方向性や、具体的施策について、関係者・支持者に配られたリーフレットを基に一つ一つ解説。

 「子どもたちや若い世代を始めとして、市民が生き生きと活動し、生活していく上で満足が感じられる輝くまちに飯能をしていきたい。また、魅力のある街づくりのためには、雇用を創出する企業誘致を進めて行かなければ、人が定着しない」と話し、そのために、「子どもを市民全員の子どもと考え、市長は皆の親となるように努め」、小中学校の教材・給食費の無償化、修学旅行・課外活動の補助など、子ども・教育関係などを中心に次々施策を披露した。

 そのほか、森林を守り抜き、市民に美味しい水を提供すること、風通しの良いシンプルな仕組みにして、市民にとって相談しやすく明るいオープンな市役所の実現等を公約として掲げている。

 また、4月の市議会議員選挙で、椙田氏と同じ地盤の川寺から出馬し初当選を果たした坂井悦子議員が事務所開きに駆け付けた。

 一方、大久保氏は17日午後2時、事実上の総決起大会となる市政報告会を飯能市民会館で開催する。

 前回25年の市長選では、椙田氏が選対本部長を務めた大久保陣営が1万9696票を獲得し、4選を目指した沢辺瀞壱氏を破り、大久保氏が初当選している。

 6月1日現在の有権者数は、男3万4173人、女3万4627人の合計6万8800人。

 市長選立候補届出の受付は7月2日、市役所5階第2委員会室で午前8時半から午後5時まで。開票は9日午後9時10分から飯能第一小学校体育館で行われる。