手榴弾の模造品が計4つ見つかった東飯能駅周辺

手榴弾の模造品が計4つ見つかった東飯能駅周辺

 25日早朝、JR東飯能駅(飯能市栄町)付近で手榴弾のような不審物が発見され、飯能市民ばかりでなく、全国を震撼させる事件が発生したが、埼玉県警の調べで同日午後、見つかった不審物は合計4つ、いずれも精工にできた模造品で、爆薬などは入っていないことが分かった。県警では引き続き、いつ誰が何の目的で不審物を置いたかなどを調べている。この日、不審物騒ぎは、市民生活に多大な影響を与え、市や学校関係者は対応に追われ、多くの市民が不安な一日を送った。

 これまでの経緯をまとめると、男性(59)が、東飯能駅西口から約80メートルの東飯能駅西側交差点に建つビル前の植え込みにあった、手榴弾のように見えた不審物2つを見つけ、JR東日本の東飯能駅事務室に、「植え込みに落ちていた」と言って持ち込んだのが騒ぎの発端。

 持ち込まれた不審物は、長さ35センチ、太さ5・5センチで茶色をした筒状。金属製の本体に、木製の持ち手が付いていて、一見して手投げ弾のように見えたことから、JR東日本から110番通報があり、東飯能駅の閉鎖、JR東日本の八高線、西武池袋・秩父線の2時間以上にわたる部分運休を引き起こし、通勤通学客5000人の足を奪う大騒動に発展した。

 さらに、午前10時過ぎに、不審物が取り除かれ、両鉄道の運転が再開、周辺住民がほっとするのもつかの間、付近を警戒中の警察官が、男性が不審物を見つけた植え込みで、新たに不審物2つを発見。規制線が張られ、普段静かな街が再び騒然とした。

 正午ごろ、万が一に備え防備を固めた県警の爆発物処理班が撤去した不審物は、一つが朝発見された物と同一形状、もう一つは、長さ15センチ、直径10センチのパイナップル形状の手榴弾のように見えた。

 県警は、爆発しても人的被害が出ないように、阿須運動公園の駐車場に不審物を移動させ、慎重に確認、処理作業を行った結果、午後3時過ぎに、不審物が模造品であることを確認した。

 県警では、この手榴弾の模造品が置かれた経緯を引き続き調べている。

 25日は、この不審物騒ぎで、飯能市や学校関係者等の多くが対応に追われた。

 市には、午前8時に飯能署から第一報。その際、阿須運動公園に移動して処理したいが、人手が足りないという要請も受け、午前8時55分、市危機管理室を中心にした緊急会議を招集。

 市長、教育長、各部長も出席の上、県警の要請受諾を決め市職員合計30人を9時50分に同公園に派遣。現場で職員は、公園内への一般人の立ち入り規制作業を行い、規制解除される午後4時16分まで現場に留まった。

 市民から、「どのような状況なのか」「防災無線は流さないのか」といった問合せが数件寄せられたが、午後12時59分に、最初に駅に届けられた不審物は、「偽物」との報告を受け、「市民の不安をあおる」との判断から防災無線の使用を見送った。

 また、当日の午前中、市では、市役所敷地内のごみ箱、植え込みを一斉点検。午後2時から、職員2人1組計10人で新町、柳町、栄町、双柳5地区のパトロールも実施した。

 市内の市立小中学校では、下校時に「不審物があっても近づかない」「下校後に(東飯能駅付近に)見に行かない」などと指導したほか、校区となる富士見小・飯能第一中・加治中では、現場を迂回するよう指導。その後通常通り下校したが、教員らが複数か所に立ち、付き添うなどして生徒・児童の下校を見守った。

さらに、駅封鎖に伴い東口、西口ともに駅ロータリーへの立ち入りが規制されたため、周辺店舗にも大きな影響が出た。規制区域内にある店舗や事業所の従業員に対する避難指示はなかったが、利用客が立ち入れない状況が続いた。

西口前のコンビニ店店長は「規制が始まったのが朝の最も利用客の多い時間帯だったので、店の売り上げにもだいぶ影響があった。模造品と聞き一安心したが、早く犯人が捕まって欲しい」と話している。

 事件が、警察、市職員、学校関係者、市民、通勤通学客に与えた影響は計り知れないものがあり、いたずらや愉快犯の仕業ならば、とても許せるものではなく、一刻も早く事件が解明され、安全安心な生活が取り戻せるように、多くの市民が願っている。